安邦保険集団は10月初め、米ヒルトン社と合意を締結し、ヒルトン傘下のNYウォルドルフホテルを買収した。 |
聯想集団(レノボ)はこのほど、モトローラ・モビリティのグーグルからの買収を完了したと発表した。購入総額は約29.1億ドル。10月1日のIBMサーバー事業の買収に続き、レノボが米国で大型買収を進めている。近年、中国から米国など先進エコノミーに流れる資本は急速に増加しており、ブランド・技術の買収や高付加価値の業種や分野への投資の傾向が強まっている。人民日報が伝えた。
▽科学技術や革新集約型産業に向きを変える海外投資
対米投資ブームが高まる中、レノボと同様、買収と投資のターゲットを産業価値チェーンと技術段階の上方に位置付ける中国企業が増えている。中国企業の対米投資の新たなトレンドと言える。
ニューヨークのアジア協会が先日発表した報告は、ハイテク産業への投資が中国の新たな対米投資ブームとなりつつあるとの見方を示した。報告によると、中国の世界への投資は2000年代初期に始まり、海外投資の第一波は、発展途上国及びオーストラリアやカナダなど資源の豊富な先進エコノミーの採掘業をターゲットとしていた。だがここ5年、中国資本は先進エコノミーの採掘業以外の産業にも流れ込み始めており、科学技術や革新集約型産業へも広がっている。
報告によると、中国が米国に対して対外直接投資を大幅増加させた最初の狙いは、エネルギーや不動産などの分野でのビジネスチャンスをつかむことにあった。だが現在、重要な動機となっているのは技術の獲得や革新だ。2014年第1四半期だけで、中国の投資者が公表したハイテク取引価格は60億ドルを超えた。これには、モトローラ・モバイル業務とIBMのx86サーバー業務のレノボによる買収、米国の電動車メーカー「フィスカー」の万向集団による買収宣言も含まれる。ハイテク産業の投資傾向は、電子設備や機械、自動車部品が数年前は中心だったが、新エネルギーや航空宇宙、バイオ技術など広範囲で多業種が結合した分野への向きを変えつつある。中国のハイテク産業投資は米37州に及び、カリフォルニア州やその他のユニークな革新産業クラスターを誇るいくつかの州では投資がとりわけ大きい。投資主体の多くは、中国の経済発達省に位置し、世界で業務を展開する企業が占めている。