2014年12月12日  
 

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人民日報、アニメでの歴史の扱いに苦言 (2)

人民網日本語版 2014年12月11日08:52

歴史をおろそかにすることの危険は、知識が抜け落ちてしまうということだけにあるのではない。過去に経てきた困難や危険を知らなければ、現在の出来事を単独で認識するしかなくなる。理想化された概念からの認識に傾き、地に足のついた「理解して同情する」という態度が取れなくなる。そうなれば自国に合わないユートピアを自らの桃源郷と思い込んでしまう危険も生まれる。

本国の歴史をおろそかにする危険は深刻である。長期にわたって文化に親しみ、薫陶されることがなければ、価値の共有は実現できない。同じ想像の産物でも、「嫦娥が月に上った」という伝説は迷信になり、「トランスフォーマーが月に上った」という話は科学的なものだと思い込む。それも仕方がないだろう。子供はお守りをする者になつくものだ。

こうした状況の改善は、「戚継光に銃口を塞がせない」ことから始めるしかないだろう。現実的な歴史に基づく題材をテレビではもっと取り上げるべきだ。倭寇に対する幾多の戦役は「桶狭間の戦い」や「信長の野望」よりも中国の子どもたちの関心に値するだろう。

そんなことをしても子供は見ないから無駄だ、という人もいるかもしれない。それは柔軟性を欠いた認識だとも言えるし、われわれの注意を促しているとも言える。民族や歴史にかかわるメインストリームの芸術作品を、つまらない・説教くさい・影響力がないという泥沼から、なんとかして救い出さなければならない。

そのためにはどうすればいいのか。願望だけ抱いているのではなく、芸術の伝播の法則に従って事を進める必要がある。筆者は排外主義を主張するものではない。またアニメを歴史講座にして毎日これで教化をはかれと主張しているのではない。ただ訴えたいのは、フライパンで夫をひっぱたく狼(国産アニメ「喜羊羊と灰太狼」)や猫をぺちゃんこにする鼠(「トムとジェリー」)だけ見ていたのでは何か足りないのではないのかということだ。戚継光や文天祥、孔子や老子を題材にした作品があれば、子供たちにとってはもっと良いパートナーとなる。これらの作品はほかの作品と違い、子供たちの一生の良き導き手になってくれるはずだ。(編集MA)

「人民網日本語版」2014年12月11日


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コメント

最新コメント

宮田聡美   2014-12-11218.19.98.*
全くその通りです。中国で日本語教師をしていて空しくなるのは、学生(時に中国人の日本語教師でも!)たちの日本に関する知識が日本の漫画やアニメ、ドラマばかりである(要は理想化、非現実化されており、実際とは異なる情報ばかり)うえ、肝心の中国に関する知識も興味が非常に低いということです。これは決して、私の学生が三流私立大学だから、というわけではありません、人民網日本語版の記事を拝見する限り、同網の編集者、恐らく一流大学の日本語科の出身者と思われる方々でも、現代であれ、伝統であれ、中国に関する知識、認識については、非常に疑問を抱かざる得ません。私からすれば、日本のであれ、アメリカのであれ、中国のであれ、現代の人気アニメなるものは総じて、低俗でレベルが低く、このような物を見て、仮に多少言語能力が上がったとしても、総合的な学力は決して上がらないし、ましてや思考力や分析能力、創造力などは、決して身につかないと思うのです。母の教訓「漫画ばかり見ていると馬鹿になる」は正しいという確信は特に中国でますます強くなっています。漫画やアニメで育った結果、馬鹿で我がままで躾が悪く、その上自覚も反省もない、そんな中国人の子供たちを見ていると、将来を悲観せざる得ません。