近年、中国のアウトバウンド客(海外旅行者)が急増しているのを背景に、海外の中国人は新たな商機を迎えている。人民日報海外版が報じた。
「日本の窓」は日本に自由旅行に行く中国人に中国語のサービスを提供するポータルサイトだ。多くの海外旅行客にサービスを提供するサイトと同じく、中国にも、日本にも店舗を置いていない。上海支部の責任者・柳さんは取材に対して、「当社は日本の多くのホテルと提携している。そして、提携ホテルの部屋や受付に中国語と日本語で書かれたパンフレットを置いている。日本語の分からない中国人でも、そのパンフレットを見て当社の日本の窓口と連絡を取ることができる」とし、「旅行客が何の準備もせずに、東京行の航空チケットだけを買って、日本を訪れたとしても、当社に連絡さえしてくれれば、必要なサービスを受けることができる」と紹介する。
柳さんによると、個人ガイドのほか、ここ数年、Wi-Fiや携帯のレンタルが、外国人旅行客に人気となっている。海外に自由旅行に出かけているのは、1980-90年代に生まれた若者で、携帯が手放せない世代だ。そして、携帯で撮影した画像をSNSなどに投稿するのが好きだ。中国の携帯では通常、海外でインターネットに接続することができず、この世代の旅行者は不便を感じる。それに目を付けた業者らが、近くは香港、遠くは欧州に行くとしても、Wi-FiレンタルやWi-Fiカードの購入ができるサービスを提供するようになっている。携帯式のWiFiのレンタル料は1週間約200元(約3800円)で、家族全員で使うことができる。
個人ガイドや通信機器サービスのほか、多くの旅行社が、レンタカーや観光地の入場券、各種乗車券の代理販売などのサービスを提供しているため、旅行者にとってはますます便利になっている。しかし、「日本の窓」の中国の支社や東京の本社は旅行者にサービスを提供しているものの、中国のほとんどの旅行者は、中国国内でホテルなどの予約を済ませ、レンタル品などが故障した時だけ、東京の本部に連絡しているというのが現状だ。それでも、柳さんは、「中国国内外の旅行社との提携が増加するにつれ、海外で華人が立ち上げている旅行社とのつながりも増え、旅行者の間に現地で各種予約などをするというスタイルが浸透していくだろう」との見方を示している。 (編集KN)
「人民網日本語版」2014年12月12日