2015年6月3日  
 

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人民網日本語版>>中国法教室(101回〜)

【第147回】商業信用毀損の実務

人民網日本語版 2014年12月31日16:43

本稿では、今年有名な事件を紹介し、商業信用毀損の実務を説明しておく。これで一般消費者の生活需要に関わる商品を生産し、社会評価が最も重要視する企業の危機意識を喚起し、その対応策を検討する際の参考になれば幸甚である。なお、本件がまだ審理中であり、筆者が毀損行為に該当するかどうかをコメントしない。

一、農夫山泉飲用水事件

農夫山泉株主有限公司(以下「農夫山泉」という)は1996年に設立された以来、「農夫山泉有点甜」(農夫山泉が少し甘みがある)という聞き慣れている広告文句で迅速に市場占有率を引き上げてきた。2002年にニールセン(NYSE:NLSN)により中国消費品市場の最も好きなブランド製品のトップ6として掲載され、2003年9月に農夫山泉天然水が国家質量監督検査検疫総局に「中国ブランド製品」と評価され、同年10月に中国宇宙飛行士専用引用水になり、2006年に国家商標局に著名商標と認定され、農夫山泉の瓶詰め引用水の販売量は、5年連続して中国トップ1になっていた。

今年4月10日、北京の大手地方紙「京華時報」は、「農夫山泉が執行した製品基準である浙江基準DB33/383は、ただ農夫山泉が唯一の企業代表として参与制定した地方基準であり、砒素、カドミウムなど毒性指標が強制性国家基準GB19298-2003、GB5749-2006(水道水基準)に劣る。かつ、農夫山泉が浙江、広東、湖北の生産基地のいずれにおいても劣る浙江基準DB33/383を執行している。農夫山泉が水道水の基準にも劣ると言われる」という文章を掲載した。その後、当該地方紙が27日間に渡って、67の紙面、76の報道で、一つのマスコミが一つの企業を批判する歴史記録をつけた。これに加え、他のマスコミ、名人のブログなどサイト上の転載により、一瞬して全国の消費者に知らされていた。今年5月2日に北京関連業界協会が「農夫山泉ブランド桶詰め飲用水販売停止の建議に関する通知」を下した。

今年5月6日に、農夫山泉は記者会見を開き、検査指標が米国FDA瓶詰め飲用水基準を大幅に上回る2008年米国国家実験中心検査報告を開示し、かつ地方基準、国家基準が相違している場合、終始してそのいずれかの厳しい基準を執行して、「京華時報」の報道が事実ではないと反論した。また、農夫山泉は、一連の報道が国有持株企業である華潤怡宝が悪意で計画を企んだことであり、これが民衆が食品安全及び環境汚染の恐慌心理を利用し、競争相手を中傷し、自社の市場占有率を拡大する卑劣な営業手段に過ぎないという声明を発表した。かつ、農夫山泉は、尊厳の為、北京の10万現有使用者に申し訳なく、北京市場から撤退することも決意した。その後、農夫山泉が偽り報道の理由で国家新聞出版広電総局に告発しながら、名誉権毀損の理由で、損害賠償が約30億円を請求した上、「京華時報」を起訴した。今年11月29日に北京朝陽区人民法院にて開廷審理されたが、今、審理中である。


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