▽新たな瓶には新たな酒を
天津南開大学浜海開発研究院の劉剛・副院長は、「大きく開放してこそ大きな発展がもたらされる」と指摘する。天津には現在、「環渤海地域経済の中心、国際港湾都市、北方経済の中心、エコ都市」との位置付けがなされている。だが北方の最大の港である天津港にとっては、その発展の最終的な目標は、自由貿易港への転換である。このように主張しているのは劉剛・副院長だけではない。閉幕したばかりの中央経済政策会議では、「一ベルト、一ロード(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)」「北京・天津・河北の共同発展」「長江経済ベルト」を3大戦略とし、来年に順調な滑り出しを実現するとの方針が打ち出された。このうち2つの戦略が天津と関連している。
「天津が北京・天津・河北の共同発展の重要な一角をなしているだけでなく、天津港は『一ベルト、一ロード』の連結点でもある。天津自由貿易区は、貨物貿易に対して巨大な影響をもたらすこととなる」と、天津浜海総合発展研究院産業研究室の蒋寧室長は語る。「現在、中国の多くの製造企業は国外からの部品の輸入を必要としている。投資と貿易の利便化は企業革新に強力な推進力をもたらし、より多くの北京や河北の企業を引きつけることになる」
貨物貿易以外の分野でも、天津自由貿易区は、サービス業と金融の規制緩和により大きな余地を残すものとなっている。「天津自由貿易区では今後もファイナンス・リースが目玉となっていく」と蒋寧室長は見ている。
だが劉剛・副院長は、天津自由貿易区の設置にあたってはさらに多くの政策による支援が必要となると指摘する。自由貿易区の設立は、優遇政策を打ち出すような簡単なものではなく、地域の改革や発展に道を開かなければならず、その過程では失敗も不可欠となる。政府部門からのより多くの許可や支援なしには、自由貿易区の革新は困難に直面することとなる。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年12月16日