▽不動産市場の下げ幅縮小:一線都市の不動産価格は反発の動き
不動産価格の下落と低迷に対応するため、各地ではこれまで、購入制限の緩和などの刺激策が取られてきた。だが市場は大きく反応せず、多くの不動産購入希望者は様子見の態度を保っていた。金利引き下げのニュースで、不動産市場も活性化し始めている。
金利引き下げは、各大銀行の不動産ローンの引き下げを刺激し、一線都市の不動産ローン水準は基準金利80%時代を再び迎えた。多くの地方の銀行ローンは、「認房不認貸」(購入住宅が二軒目であるかの判断で不動産登記状況を問い、貸出記録は問わない)という政策も打ち出している。不動産のローンでの購入を考えている家庭や、浮動金利契約で不動産を購入した家庭にとっては、金利引き下げによる節約効果は少なくない。100万元(1元は約19.3円)の30年ローンの場合、一カ月261.3元の節約となる。
最新の統計データでも、不動産市場に対する金利引き下げの影響は明らかとなっている。一部の都市の不動産市場は下げ止まり、安定化の傾向を示している。統計局の11月のデータによると、大中70都市のうち不動産価格が前月比で下がった都市は67都市に達したが、最大下げ幅は1.4%で、下げ幅は0.2ポイント縮小した。一部の都市の中古住宅の価格は上昇し、中古住宅価格が下がった都市は10月よりも6都市減った。上がった都市は4都市増えて6都市で、いずれも一線・二線都市に集中し、北京・上海・広州・深センという一線都市で下がった都市はなかった。大中70都市の新築商品住宅の取引量は10月に比べていくらか拡大し、今年の最高値をつけた。
業界の分析によると、人民銀行の金利引き下げなどは、一線・二線都市の不動産市場の復活を刺激する好材料となっている。市場取引量が上昇に転じたことで、価格も小幅な上昇の兆しが見られる。ただ現在の不動産市場全体は依然として大きな在庫整理の圧力に直面しており、不動産の起工面積や投資の成長率も前年を全面的に下回っている。さらに年末には開発業者が販売目標を達成するために「価格で量を取る」という戦略を取るため、不動産価格の下げ幅は縮まったもののまだ上昇に転じてはいない。