各方面の注目を集めていた不動産大手・万達商業地産の香港証券取引所での新規株式公開(IPO)が23日に行われた。万達集団の王健林董事長(会長)が同日午前9時30分、同取引所の取引開始のドラを鳴らすと、万達商業地産はH株市場で取引を開始した。取引は発行価格48香港ドル(1香港ドルは約15.5円)で始まり、初日は43.8~48.2香港ドルで推移し、資金調達額は42億7千万ドル(1ドルは約120.3円)に上り、世界の不動産業IPOにおける記録を更新した。今回の上場により、王董事長の資産額は63%増加した。「新京報」が伝えた。
▽香港の過去3年で最大規模のIPO
万達商業地産が21日に発表した公告によると、H株の発行価格は最終的に48香港ドルとなり、市場で予測された範囲41.8~49.6香港ドルの上限に迫った。また万達商業地産は中国広核集団を抜いて今年のIPOによる資金調達でトップに躍り出た。発行価格48香港ドルで計算すると、万達商業地産の時価総額は2150億香港ドルになる。また今回の上場は香港市場における過去約3年間で最大規模の上場にもなった。
▽王董事長の資産がアジア3位に
14年9月に発表されたフージワーフ研究院の「長者100人番付」によると、万達集団の王健林董事長の一族が資産額1450億元(1元は約19.3円)で2位になった。1位はアリババ(阿里巴巴)の馬雲董事長の一族で、資産額は1500億元だった。ブルームバーグ社の億万長者指数によると、万達商業地産の資産は主に王董事長の資産で構成されており、王董事長の個人資産は現在、63%増加して248億ドルに達し、馬雲氏、李嘉誠氏に続くアジア3位となっている。
王董事長の一族とは、王董事長本人、妻の林寧氏、息子の王思聡氏を指し、資産には万達商業資産、国内の映画館チェーンの万達電影院線、米国の映画館チェーンのAMCの株式と未上場資産が含まれる。万達商業地産は香港上場後に時価総額国内トップの不動産開発業者になるとみられ、王氏一族の資産も950億元に達することが予想される。IPOに際しての目論見書によると、王董事長の一族は万達商業地産の株式の62.7%を直接・間接に保有しており、上場後は割合が53%に低下するという。
万達院線はA株上場まであと一歩で、成功すれば王氏一族の関連資産は130億元に達するとみられる。上場前の株式保有率は68%だ。万達商業地産と万達院線のほか、王氏一族は米ニューヨーク証券取引所に上場するAMCの株式も約80%保有しており、時価総額は120億元に上る。
王董事長はどうすれば馬氏を超えられるだろうか。フージワーフ研究院の会長兼主席研究員のフージワーフ氏は、「王氏が馬氏を超えて中国一の富豪の座につこうと思うなら、株価が30%以上上昇する必要がある」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月24日