ドイツのある経済情報サイトは「クリスマスは中国製だ」と題する記事の中で、中国は世界の工場というレッテルを剥がしつつあるが、欧州諸国では依然として中国製のクリスマスグッズの人気が高いと報じた。米CNBCは、中国の工場は欧米のクリスマス消費の流れをけん引しており、世界のクリスマスプレゼントの約6割が中国製だと報じた。環球時報が伝えた。
記者は23日、ドイツ最大の百貨店チェーン「カウフホフ」のベルリン店を取材した。ドイツメディアは中国製の玩具は質が悪いと誇張して伝えているが、おもちゃ売り場を訪れていたドイツの消費者は理性的だった。ある買い物客は記者に対して、「これらの中国製の玩具にはGSマークなどが表記されており、価格も割安で、中国製を理由に購入を見送ることはない」と述べた。EUのある高官も、「中国製の玩具がなくなれば、全世界の子供たちは喜びを失う」と感嘆したほどだ。
しかし衣料品売り場では、服と靴の原産国が「多元化」していた。以前はどれも中国製だったが、今では服や靴の一部はベトナム、インド、バングラデシュなどで生産されており、エチオピアやチュニジアなどのアフリカ製、さらに南米製の商品もあった。
日本のクリスマスグッズ市場でも、かつて市場を独占していた中国製が、東南アジアからの猛追に直面している。記者が東京の恵比寿ガーデンプレイス付近の雑貨店を取材したところ、クリスマスグッズ市場がその他の業界よりも「グローバル化」の様相を呈していることが分かった。ある雑貨店で販売されていた化学繊維のサンタの帽子はネパール製、木製のサンタの人形はチェコ製、キャンディボックスとアルコール類はドイツ製、チョコレートは米国製、樹脂のディナートレイはタイ製、クリスマスツリーの装飾に用いる玉は中国製だった。
記者が10年前に初めて訪日した当時、ロー・ミドルエンドの日用品と衣料品の半数以上が中国製だった。日本企業は近年、東南アジアで投資を拡大しており、日本市場ではインド、タイ、ベトナムの商品が増加している。クリスマスグッズ市場では、ローエンドの繊維製品、玩具はベトナム製やインド製が多くなっているが、中国製は種類と品質面で、絶対的な優勢を維持している。中国製品はミドルエンド市場で高いシェアを占めており、商品の材料と技術は東南アジアの商品よりワンランク上だ。
独ケルン大学のエコノミストは記者に対して、「現状を見る限り、世界はまだ中国製のクリスマスグッズから離れられず、中国の首位の座に揺らぎが生じることはない。しかし中国の人件費などの高騰を受け、欧米のクリスマスシーズンでは中国製品の比率が低下している。その代わりとなっているのが、東南アジアの製品だ。その一方で、中国ブランドのクリスマスグッズが増加しているが、この流れは中国経済のモデルチェンジと合致している」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年12月24日