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上海の出版社、村上春樹最新短編集を来年3月出版 

人民網日本語版 2014年12月26日16:17

中国最大の翻訳出版社、上海訳文出版社は、このほど今年4月に出版された村上春樹の最新短編集「女のいない男たち」の中国簡体字版著作権を獲得し、来年3月に中国で出版することを発表した。今年4月に出版された村上春樹の最新短編集「女のいない男たち」は、村上春樹が「東京奇譚集」から9年ぶりに短編小説に回帰した作品。同小説はすでに日本で50万部を売り上げている。寧夏日報が伝えた。

村上春樹は自身の最新短編集について、現代の世界の一つの比喩、あるいは遠い予言のようなものという見方を示している。これについて村上春樹は海外版のまえがきに、「本を書く動機となったのは、作品のタイトル『女のいない男たち』というモチーフにある。1篇目を書き始めてから、なぜかこの言葉がずっと頭の中から離れなかった。私はこの言葉を一つの柱として、その柱を囲むようなかたちで、一連の短編小説を書いてみたいという気持ちになっていた」と綴っている。収められているのは7篇の短編。主人公はすべて中高年男性だ。先立たれた妻にどうしても聞けなかったことがずっと心に引っ掛かり続けている男性、50歳を過ぎて真剣な恋に落ちるプレイボーイなど、自分にとって特別な女性とうまく関係を築けなかった男性ばかりが登場する。

上海訳文出版社マーケティング部の徐珏氏によると、同社はこれまで村上春樹作品はすべて村上春樹の御用達翻訳者、林少華氏が一人で手掛けてきたという。林少華氏の翻訳文は美しく優雅で、村上春樹作品が中国で広く読まれ、流行したことに対し、非常に大きな役割を果たしてきた。しかし、来年3月に出版する短編集では、出版社は大胆な試みに挑戦した。林少華氏のほか、渡辺淳一作品の翻訳者と知られる笠家栄氏、在日華人の毛丹青氏、日本中華新聞社総編集長の姜建強氏、岳遠坤氏、陸求実氏の翻訳者5人に翻訳を依頼した。この6人の翻訳者は中国の日本語翻訳界を代表する優れた翻訳家たちばかり。翻訳出身者のほか、日本文化交流分野で優れた成績を収めている人、二カ国語で作品を執筆する人などさまざまな分野で活躍している。出版社はこの6人の翻訳者にそれぞれ異なる短編の翻訳を任せるという。この試みによって、読者はさらに多面的な村上春樹の世界を堪能することができるだろう。(編集MZ)

「人民網日本語版」2014年12月26日

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