国内の乳業で発生している問題に対しては、国も産業の発展を守るための政策を積極的に打ち出している。だが多くの製乳メーカーによると、今年の国内の原乳価格は依然として大きな圧力に直面している。
▽専門家:トップレベルデザインの政策決定が必要に
乳業専門家の王丁棉氏によると、中国の現在の一人当たりの牛乳量はまだ低く、国内の牛乳源が過剰に陥っているという事実はない。「国外の酪農家は実力が高く、長期にわたって低価格での販売を続け、中国の乳牛が大量に殺処分された後、価格を上げるということが可能だ。中国の製乳企業と消費者にとっては喜ばしいこととは言えない。製乳メーカーは目先の利益にとらわれることなく、国内の酪農家と協力し、国内の生乳をできるだけ使い、中国の乳業の健全な発展をはかるべきだ」
王氏によると、海外の牛乳や粉ミルクが大量に中国市場に入っていることで、海外の牛乳と国産の牛乳との間にはすでに静かな争いが勃発し、中国の乳牛飼育業に直接的な脅威を与えている。
乳業のベテランアナリストの宋亮氏によると、多くの製乳メーカーは昨年、生乳を高値で買い取り、余った生乳を粉にして貯蔵する措置を取った。粉ミルクのスプレードライに使われた資金は数十億元に達し、企業も大きな資金圧力に直面している。このため政府は、原料粉末の臨時貯蔵の仕組みを作り、酪農家を支え、牛乳の乾燥粉末メーカーを資金面で支援する基金を設ける必要がある。このほか政府は、牛乳の輸入の面でも、技術的障壁を通じて輸入量を減らすことを検討すべきだ。
さらに乳業専門家の雷永軍氏は、欧州などの国では乳牛飼育に割当数による制限を加えており、中国の乳業も国家レベルのトップレベルデザインが必要だと指摘している。
海外の乳製品が大量に中国市場に流れ込んでいる状況について、山東乳業協会の張志民会長は、中国は、輸入の粉ミルクと常温保存牛乳への対応措置が遅れていると主張する。国の関連部門は、乳製品産業をさらに重視し、輸入粉ミルクに対する反ダンピング・反補助金政策の実施を検討すべきだという。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月15日