中国科学技術大学が23日に発表した情報によると、同校の単革教授の実験室はこのほど、新型の環状ノンコーディングリボ核酸(ncRNA)を発見し、人類の生命の原理をより一層明らかにし、重大疾患の予防・治療に向け参考材料を提供した。この研究成果はこのほど、世界的に有名な学術誌「Nature Structural & Molecular Biology」に掲載された。光明日報が伝えた。
RNAは生物の細胞、一部のウイルス、ウイロイドに含まれる遺伝情報の担い手で、ncRNAは通常タンパク質のコーディングが不可能なため、1990年代までは生命の意義を持たない「ノイズ」を含む「ジャンクRNA」とされていた。近年の研究の展開により、世界の学術界はncRNAが生命現象において役割を持つことを発見した。その突然変異や発現異常は、多くの疾患の発生と密接に関連している。
中国科学技術大学の単教授の実験室はこのほど、新型の環状ncRNAを発見した。これは独特なエクソン・イントロン構造を持ち、学術界がこれまで集中的に研究を進めてきた線状RNA分子と異なり、その他のエクソンのみによって形成される環状RNAの細胞質の構造と異なっている。同実験室は、この新型環状ncRNAが自身の位置する遺伝子の発現を調整することが可能であることを発見し、その遺伝子転写を促進するメカニズムについて研究した。
世界の学術界は近年、ncRNAが遺伝子調整の効果を持ち、がん、うつ病、睡眠障害などの疾患に対して一定の影響をおよぼすことを発見した。ある学者は、ncRNAの研究ががん予防・治療の新たなツールになると予想している。中国科学技術大学が発見したこの環状ncRNAは、生物の進化の過程の探索、未来の重大疾患の予防・治療に対して積極的な力を発揮する可能性がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年2月26日