本稿では、立入検査が発生した場合、どのように対応するべきかにつき実務上の基礎を整理しておく。しかし、担当機関及び調査内容の相違で、本稿が立入検査におけるすべての内容に対応することができない。本稿は、ただ一般論の感じで実務上のポイント提示のみに止まり、対応方法を検討する際の参考になれば幸甚である。
一、立入検査権を有する担当機関
現時点までに法令により立入検査権を付与されるのは、主に司法機関としての公安、検察院、裁判所であり、行政機関としての工商、発改委、税務、税関、外貨、品質監督検査検疫局、食品薬品監督管理局、国家安全部門、環境保護部門などである。商業賄賂、知的財産、個人情報保護、脱税、独禁法という最近の法執行焦点を考慮し、よく立入検査を行うのは、やはり公安、工商、税務、発改委が考えられる。また、国家安全部門(国家安全委員会の新設)が非常に強勢の機関であり、国家秘密に関わる案件を調べる際、まず公安の名義で立入検査を行う場合が多い(リオ・ティント事件)。
二、立入検査への対応策
一般的に、立入検査が実施された場合、概ね1箇所につき数名の審査官が担当となり、事前決められた期日に、関係箇所に同時に検査が行われる。関係箇所とは、事務所、倉庫、工場、貸金庫、自宅、社内の経理部、法務部、役員室、社長室などが考えられる。
審査官がまず積極的に身分証明を示するのは義務付けられる。会社側がこれ(所属機関)を通じて、ある程度検査の理由を推測できる。また、立入検査の担当機関の相違に関わらず、担当機関にとって立入検査の目的が関連書類の留置及び証言の収集に他ないので、立入検査の対応策を講じる場合、検査理由の早期明確化、これに基づき関連書類の保護、不利証言の回避が作業の核心である。
1.速やかに会社側の担当者に通知すること