藍氏によると、「つくる会」が2013年3月に出版した「新歴史教科書」は、「大東亜戦争」という言葉によって「太平洋戦争」を美化している上に、中国侵略戦争を「支那事変」の蔑称で呼び変え、盧溝橋事件(七七事変)の原因を日本軍が銃撃されたからだとしている。また「満州国は五族協和や王道楽土の建設をスローガンとしていた」などと中国の東北地域における日本の殖民統治を美化している。さらに南京大虐殺を「南京事件」と呼び、被害者の人数などには「論争がある」としている。この右翼の色彩の強い教科書はいくつかの地方政府の公立学校で採用されているものの、2001年に打ち出された時には学校での販売数は数百冊にすぎなかった。だが学校での採用率は高まり、2011年には4%に達した。さらに市場での販売数は驚くべきもので、2001年は70万冊余りを売り上げた。
「新しい歴史教科書をつくる会」は1996年に発足し、その右傾した観点は日本の政界の多くの人の支持を集めているだけでなく、大企業の人物や新興宗教団体からも支持されている。藍氏によると、現在の日本の右翼勢力の中では、右翼宗教団体が勢力を増している。信者の寄付を受けて豊富な財力を持つこうした宗教団体は、「つくる会」の教科書の普及に大きな役割を果たしている。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年4月9日