◆動物実験は成功
脊髄融合(SCF)を含む頭部移植術は、100人の外科医が36時間をかけて行う必要がある。ドナーの頭部を非常に鋭利な刃物で切断し、脊椎の損傷を最小限に抑える。
カナベーロ氏は、「患者はその後3−4週間内は昏睡状態に陥る。この間に脊髄は電気ショックを受け、新たな神経とつながる。物理療法により、患者は1年内に歩行能力を取り戻すだろう」と述べた。
カナベーロ氏は、同プロジェクトに2つの課題が存在することを認めた。1つ目は切断した脊髄を再びつなぎ合わせることで、2つ目は免疫系の拒絶反応の防止だ。しかしカナベーロ氏によると、最近の動物実験により、手術が実現できることが証明されたという。
◆奇想天外な手術、専門家は疑問視
全世界の科学者が、同プロジェクトの実現性を疑問視している。ニューヨーク大学のアーサー・カプラン医師はCNNの取材に応じた際に、カナベーロ氏は「馬鹿げている」と述べた。
カリフォルニア大学デービス校神経外科臨床教授のハリー・ゴールドスミス氏は科学誌「ニュー・サイエンティスト」に対して、「同プロジェクトは奇想天外で、画期的な進展はほぼ不可能だ。私は成功するとはまったく信じていない。手術には解決すべき多くの問題がある。また昏睡状態に陥った人の生存を4週間維持するのも絶対に不可能だ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年4月17日