人民元決済の価値向上、人民元相場は合理的という国際社会の承認は、人民元国際化の歩みの中で重要な意義を持つ。BRICS開発銀行、シルクロード基金、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設に伴い、中国は国際金融システムでより多くの責任を担い、人民元国際化を高速ルートにのせることになる。
国際銀行間通信協会(SWIFT)の最新データによると、人民元の今年3月の決済価値は前月比33.5%向上し、世界の全通貨の伸び率を上回った。人民元は世界5位の決済通貨となった。またウォール・ストリート・ジャーナルなどの世界主流経済・金融メディアは、人民元相場は「合理的」であり、国際通貨基金(IMF)、特に特別引出権(SDR)の通貨バスケットに採用される可能性があると判断した。
人民元決済の価値向上、人民元相場は合理的という国際社会の承認は、人民元国際化の歩みの中で重要な地位を占め、節目としての意義を持つ。国際貿易について論じるならば、中国の世界貿易における地位の向上に伴い、人民元はすでに国際貿易決済の主要通貨になっている。大口商品、機械製造業、サービス業の貿易決済で、人民元の使用が広がっている。
グローバル企業の人民元決済の需要が特に旺盛だ。グローバル企業、特に中国と貿易・投資関係を持つ企業の多くが、人民元による決済、リスク管理、資金管理を選択している。フォルクスワーゲン、ダイムラー、フォード、ゼネラル・モーターズなどの欧米自動車メーカーは、人民元を第二の通貨としている。グローバル企業の間で人民元の評価が高まっていることについて、英国の国際弁護士事務所は「人民元:新たな国際通貨」と題した専門的な報告書を作成した。同報告書は、グローバル企業の人民元決済の人気が高まり、人民元が重要な国際通貨になろうとしていると指摘した。
人民元相場は近年、堅調に推移している。人民元の購買力平価から見たレートは合理的な水準であり、各国が通貨のレート引き下げを競う中、大幅な元安も生じていない。SWIFTのデータによると、人民元の実質実効為替レートは昨年6.24%上昇し、過去最高を記録した。国際収支の面から見ると、中国の経常収支の黒字・赤字の対GDP比は合理的な水準となっている。中国の経常黒字は近年大幅に縮小されており、2007年の10%弱という対GDP比は昨年約2%に低下し、5年連続で4%以内となっている。人民元相場の推移は、国際社会から広く認められている。IMFのラガルド専務理事は先ほど、「人民元がIMFのSDRの通貨バスケットに採用されることを歓迎する」と表明した。専門家は、人民元がSDRの通貨バスケットに採用されるに伴い、多くの国が人民元を外貨準備資産にすると予想した。これは人民元国際化を加速する。
「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の建設の加速に伴い、中国と一帯一路沿線諸国および地域の資本・貿易交流が深まる。これは人民元の国際市場における使用の空間を切り開く。中国は国際金融システムの中で、より多くの責任を担うようになる。人民元国際化の進捗は、ギアチェンジにより高速ルートに入るだろう。
「チャイナネット」2015年5月11日