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インダストリ4.0が中国製造業に新たなチャンスを (2)

人民網日本語版 2015年05月14日08:10

ドイツは「ドイツ製造業の未来を保障する:インダストリ4.0戦略の実施に関する提案」の中で、情報技術と工業技術が高度に融合するのにともない、製造業分野で形成された資源、情報、物品、人材が相互に関連し合う「バーチャルネットワークと実体的な物理システム」をインダストリ4.0と定義する。例を挙げよう。華南理工大学のベンチャーアイランドでは、「プライベートテイラー」と呼ばれる衣類製作のベンチャープロジェクトが行われている。アカウントを登録した利用者は、家庭の普通のパソコンを利用し、スマート技術を応用した縫製・オーダーメードプラットフォームを通じて、ネット上で採寸、パターンの選択、細部のデザイン、色の選択などをすべて自分で行うことができる。キーボードを叩くとネット上のバーチャル試着システムの動画が仮縫いを行い、利用者の身長と体型の3D画像が表示される。それからプラットフォームが提供するさまざまな染料、色、柄・模様、デザインの中から気に入ったものを選び、実際に着用した時の感じをバーチャル画像でみて、最も気に入る組み合わせを探し、決まればシステムを通じてデータをネット上の生産設備に伝送すると、実際の製作がスタートし、スタートから72時間以内で完成品が家に届けられることになっている。こうして伝統的な衣類のオーダーメード産業がスマート化された近代的な製造業へと生まれ変わった。

これはインダストリ4.0の初歩的な応用に過ぎないが、ここから伝統的な製造業の改良を願う中国企業の思いが十分に読みとれる。

制定中の「中国製造2025」(中国製造業10カ年計画)はメードインチャイナをグレードアップさせるものであり、中国版のインダストリ4.0だ。新興工業国である中国がこれからも上位に位置し、飛躍的な発展を実現するには、発展方式が多重的システムのプロセスを経ること、インダストリ2.0、3.0、4.0が同時進行することが必要だ。

インダストリ3.0の時代には、製造業の競争力の多くは大企業の巨額の資金を必要とする技術、設計への投資とグローバル化に基づく大規模な経営、標準化された製造によって生まれたブランド効果に基づくことになる。インダストリ4.0の時代には、生産から販売に至るすべての段階で変革が発生し、企業の生産、経営、管理モデルに全面的な変革をもたらす。インダストリ4.0は生産の分散化に向かい、高度に個別的でデジタル化した製品やサービスという新モデルを樹立することを目標にする。

新たな生産モデルの下で、現地の市場、サービス製品、インターネットの普及レベルといった要因の占める割合が上昇し、中国企業がもつ後発組としての強みが新たな競争環境の中で一層顕在化していく。起業ブームに加え、中国には工業化と情報化の基礎が備わっており、インダストリ4.0の時代が間近に迫る中、中国製造業が困惑と焦燥の中で次なるチャンスを見いだすべきだろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年5月14日


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