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人民網日本語版>>中国法教室(101回〜)

【第151回】中国におけるドメイン名裁判外紛争処理の概要(二) (2)

人民網日本語版 2015年04月30日09:23

(2)被申立ドメイン名所有者の登録する行為そのものの目的は、商品商標、サービスマーク関連民事権益の所有者は相応するドメイン名を利用し商標を反映することを防ぐためである。または

(3)被申立ドメイン名所有者の登録する行為そのものの目的は、競争相手の正常業務を破壊するためである。又は

(4)商業利益を獲得する目的で、被申立ドメイン名の所有者は被申立ドメイン名を使用し、サイト上の商品又はサービスを提供する行為により、商標権及びその他の権利を有する申立人と、製品の出所、賛助及び付属性又は保証関係上から、消費者の混同を招き、または、故意的に消費者が被申立人のサイトへの登録またはその他のサイトへの登録を誘引する。

ところが、上記規定は前述した一般トップレベルドメイン名の争議解決の関連規定とほとんど一致しているが、一点だけに注意する必要がある。つまり、国別ドメイン名の紛争における「被申立ドメイン名と申立人が民事権益を有する名称または標識が同一であるか、混同を招くような近似性がある場合」と、一般トップレベルドメイン名の紛争における「被申立ドメイン名は申立人が権利を有する商標(trademark or service mark)と、 同一(identical)または混同を引き起こすほどに類似(confusingly similar)している」との区別である。上記規定の相違により、国別ドメイン名紛争の場合に、企業名称、著名商品の特有な商品名称など中国法により保護される民事権益をもって、他人のドメイン名に対抗することができる。なお、国別ドメイン名の紛争処理の手続及び時間制限などは一般トップレベルドメイン名のそれと類似するので、省略する。この場合、使用される言語は一般的に中国語に限る。

また、ドメイン名争議解決センターが裁決を下した後、申立人又は被申立人は同一の争議で、中国インターネット情報センターの所在地にある裁判所に提訴することもできるし、協議に基づき、中国仲裁機構に仲裁を申立てることもできる。

上記裁判所に提訴し、訴訟でドメイン名紛争の解決を図ることではなく、専門争議解決機構に裁決を申立てることを通じて、紛争に対応するのは、確かに、司法強制力に乏しく、且つ損害賠償を貰えないが、しかし、その迅速性、利便性、廉価性などの理由で、よく利用され、多くの企業に認められているのは中国の現状である。

 作者:周暘 錦天城法律事務所パートナー弁護士(早稲田大学法学研究科卒 法学修士)

 「人民網日本語版」2014年4月30日

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