北京市と上海市は7月1日より、中国大陸部の都市としては初めて、海外観光客向けの出国時税還付政策を実施する。両市はすでに税還付を実施する通関地、代理機関、対象店舗を確定している。うち、北京の第1弾対象店舗は86店舗、上海は27店舗。条件を満たす海外観光客は出国時に税還付を申請できる。払い戻しは人民元で行い、還付率は11%。業界は同措置について、概ね観光と消費にプラスになるとの見方を示している。国際在線が伝えた。
出国時税還付とは、海外からの観光客が北京や上海で買い物をする際にかかる「付加価値税」の一部を、出国時に還付する政策。北京と上海の税還付の対象者は、中国大陸部での連続滞在期間が183日以内の外国人および香港・マカオ・台湾出身者(以下、海外観光客)。申請条件について、北京市財政局の趙彦明副局長は「海外観光客の税還付申請条件は4つある。第1に、1人の海外観光客が、同じ日に同じ店で購入した税還付対象商品の金額が500元(1元は約20円)を上回ること。第2に、税還付対象商品が未使用・未開封であること。第3に、出国日が税還付商品の購入日から90日以内であること。第4に、全ての税還付対象商品を観光客本人が携帯するか、もしくは預け入れ荷物として国外へ持ち出すこと」と紹介した。
現在確定している対象店舗は北京が86店舗、上海が27店舗で、主に市街地、観光・ショッピングエリア、外国人居住地・ビジネスエリアなどに分布している。海外観光客には商品価格の11%が還付されるが、これには代理機関の手数料2%分が含まれるため、実際に観光客の手に渡るのは9%となる。つまり、1千元分の買い物をした場合、実際の還付額は90元。還付額が1万元以内の場合、現金とカードへの入金のどちらかを選ぶことができる。1万元を上回る場合は口座振替となる。