■民間友好交流で国家関係の改善を後押し
丹羽氏は「過去と未来を切り離し、歴史を無視して未来ばかり強調するのなら、どんなに素晴らしい未来を描いても、世界の人々の信頼を得るのは困難だ」と強調。「歴史認識問題をめぐる日中間の争いを解決するうえで、最も大切なのは日中両国の上の代の指導者の政治的知恵に学び、日中間の4つの基本文書を尊重したうえで、文書の精神をどう実践、貫徹するかを検討することだ」との考えを示した。
丹羽氏は「日中友好実現のため、両国の上の代の政治家は大きな努力を払った。日中の友好関係は幾重もの障害を乗り越えて築かれたものであり、こうした努力を水の泡にする権利は誰にもない。日中両国は43年前の日中国交正常化の原点に立ち帰るべきだ。現在解決できない難題は、鄧小平氏が述べたように、棚上げにして、できる事から始めるべきだ」と指摘した。
日中友好協会は1950年の設立以来、民間交流の推進に常に尽力してきた。日中両国民間の感情が悪化し、相互好感度が下がっている現在の問題について、丹羽氏は「日中両国民の互いの印象の多くは数十年前のままだ。もっと多くの中国人が日本を訪れることを希望する。日本人ももっと中国を見に行く必要がある。日中友好協会は相互往来の推進力だ」と述べた。
丹羽氏は同時に「日中両国はそれぞれ国内に多くの問題を抱える。双方の国民は互いを見る際に、日中友好の観点に立って、1972年発表の日中共同声明の精神に基づき、両国の友好発展の道を共に図るべきだ。民間友好交流によって国家レベルの関係改善を後押しする。これを堅持すれば、近い将来、日中友好は新たな変化を迎えるだろう」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年7月8日