中国経済の衰退を懸念する声が高まっている。中には、「ギリシャの債務危機にばかり注目が行っているが、実は中国経済の疲弊こそが世界経済の衰退を引き起こす可能性がある」と指摘する人もいる。しかし、様々な声が上がる中、各国の中央銀行は金利の据え置きを相次いで表明し、世界経済に対する信頼を示した。人民日報海外版が伝えた。
▽一部の懸念は「誇張しすぎ」
先週、英国、韓国、オーストラリアなど各国の中央銀行が政策金利の据え置きを表明した。日銀も今週中に金融政策決定会合を予定している。アナリストは、「各国の中央銀行が金融政策を据え置いたことは、世界経済に対する楽観的な見通しの表れ」との見方を示す。
オーストラリア中央銀行(RBA)は「世界経済は現在、穏やかに拡張している」と指摘した。韓国中央銀行・金融政策委員会も「米国経済の回復の勢いが顕著化し、ユーロ圏も好転を続けている。中国を含む新興国も成長の緩和の流れを保っている」とし、世界経済は引き続き穏やかな回復を維持するだろうと予想した。
世界第二の経済体である中国の動向が世界からますます注目を集めていることは、疑いがない。国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」の中で、「中国は新たな成長モデルへの転換において、より大きな困難に直面するだろう。最近の金融市場の動揺がこれを説明している」と警告した。
しかし、一部の懸念は、いささか誇張しすぎるきらいがある。モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興市場責任者、ルチル・ シャルマ氏は、「靴や玩具といった輸出品の他に、中国は近く、世界にリセッション(景気後退)という別のものを提供するかもしれない。次なる世界的なリセッションは中国から引き起こされる。中国経済の疲弊は来年まで続き、世界の経済成長が2%以下に落ち込む。これは、世界的なリセッションの始まりになるかもしれない」と指摘した。