魚谷雅彦新社長の下、構造改革を推進中の資生堂はこのほど、2015年4~6月期決算を発表した。売上高は2023億円と、前年同期の1684億円から20.2%増となった。連結営業利益は130億円で、前年同期の14億円と比べ約10倍となった。第一財経日報が伝えた。
資生堂は大幅増収の原因として、2014年10月以降に訪日外国人、特に中国人が増えたことを挙げている。インバウンド売上は同期、売上増加の60%を占めた。連結最終損益は約37億円の黒字(前年同期は約18億円の赤字)となり、黒字転換を実現した。
欧州、米国、韓国の化粧品会社と比べると、資生堂は近年、中国市場での発展のペースが落ちている。2014年度(2014年4月~2015年3月)、資生堂の中国市場売上高が世界全体の売上高に占める割合は14.8%(58億7800万元)で、前年同期比わずか2.8%増にとどまった。
資生堂(中国)投資有限公司菫事長兼総経理の高野茂氏は3日に取材に対し、「中国は資生堂が中長期戦略『VISION 2020』を達成する上で重要な市場だ。2015年から2017年までの『新3カ年計画』において、今年は経営改革の基盤を固める一年。そのため、一連の構造改革を行っている」と語った。2020年までに、資生堂の中国市場売上高が世界全体の売上高に占める割合は5分の1に達すると見られている。
高野氏は今年1月の就任からこれまでに西安、瀋陽、広州など中国の8都市を訪れ、十分な調査研究を行った上で、3つの重点を打ち出した。それは、「有力なブランドを育成し、成長の見込みのある分野に大胆に投資し、販売第一線と密接に連携する体制を打ち立てる」というものだ。