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リバースモーゲージ 社会倫理に合致せず不人気

人民網日本語版 2015年08月05日08:18

メディアが伝えたところによると、幸福人寿保険株式有限公司がうち出した国内初のリバースモーゲージ(自宅を担保とした老後資金の借り入れ)商品「幸福房来宝」は、発売からの4カ月間で契約件数がわずか12件にとどまった。中国の膨大な高齢者人口からみれば、これはほぼゼロに等しい数字だ。ここからわかることは、熱い期待が寄せられたリバースモーゲージだが、中国市場ではまだ根を下ろして発展するだけの現実的な環境が整っていなかったということだ。「京華時報」が伝えた。

生活環境の向上にともなって、予測される寿命が伸び、高齢者が徐々に増加している。彼らは若い時にはさまざまな理由で十分な老後資金を積み立てることができず、重病にでもなれば、一般世帯では引き受けることが難しい。リバースモーゲージのアイディアはこのような背景から生まれたものだ。10年あまりの準備期間を経て、中国保険業監督管理委員会(保監会)は昨年6月、北京、上海、広州、武漢の4カ所でリバースモーゲージを試行することを決定。だが幸福人寿の商品の市場での不人気ぶりから、このテストは失敗に終わることが予想される。

だが実際には、リバースモーゲージの不人気は予想されたことだ。契約した高齢者は自分の家を担保にして、保険会社から老後資金を借り入れることになるからだ。

契約者の高齢者が亡くなった後、その家は保険会社が実際に支払った金額に基づいて相続人の子どもと分割することになるが、多くの高齢者にとって、家は一生の苦労の末にやっと手に入れた最大の資産だ。また中国人には家を財産として子どもが受け継ぐ伝統があり、高齢者が家を老後資金に充てれば、高齢者から子ども世代への財産の継承関係を損なうことになり、子ども世代の不満を招きやすく、社会倫理にも合致しない。このようなわけで、リバースモーゲージの不人気が映し出すものは、保険商品の設計に何か問題があるということではなく、商品と社会倫理との間に調和しがたい矛盾があるということだ。

リバースモーゲージは一種の年金モデルとして民間には早くから存在していた。だが通常は配偶者や子どものいない高齢者の中でだけ行われていた。こうした民間の自発的な動きを政府が奨励し、誘導することは可能だが、より数が多い子どものいる高齢者にとって、このモデルは結局のところ伝統的な社会倫理に合致しない代物なのだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年8月5日

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