エスカレーターに乗る時は、右側に立ち、左側は急いでいる人のために空けておくというのが、一般的なマナーだ。しかし、南京市公安局地下鉄分局はこのほど、微博(ウェイボー)の公式アカウントで、「『右立ち、左空け』をすると、エスカレーターの左右の重さが不均等になる。今の地下鉄利用者の状況からして、『右立ち、左空け』は推奨できない。手すりをしっかり持って乗ってほしいとしか言えない」との見方を示した。人民日報が報じた。
同局政工弁公室の施大江・副室長は、「『右立ち、左空け』は、今の中国の実際の状況に合わない」と指摘。まず、中国では、公共の場でエスカレーターに乗る人が多い。例えば、南京地下鉄の利用者は1日当たり200万人以上で、うち約半分が朝晩のラッシュ時に集中している。そのため、「右立ち、左空け」をすると、乗ることができる人の数が限られてしまうため、非現実的であるだけでなく、混雑を招くなどの危険性もある。その他、エスカレーターを、速いスピードで歩くと、接触事故などの原因にもなりかねない。
これについて、ネットユーザーからは、賛否両論が巻き起こっている。同局の公式アカントには、「国外の一部の地域も『右立ち』で、問題もない。推奨すべき」との声のほか、「『手すりをしっかり持って乗る』というほうが合理的」との声も寄せられている。南京市で取材をすると、多くの市民が、「マナーがあるのももちろんいいこと。でも、もし、『右立ち、左空け』をすると危険であるなら、やっぱり安全が第一」との見方を示した。
「人民網日本語版」2015年8月21日