天猫国際(Tモールグローバル)と日本最大の免税店グループ・ラオックスはこのほど戦略的協力を取り結んだことを明らかにした。これを受けてラオックスの筆頭株主である蘇寧雲商が天猫国際に出店し、1週間にわたり出店記念イベントを行うという。今回の協力はアリババ(阿里巴巴)と蘇寧とのグローバル化戦略を視野に入れた電撃的な融合とみなされ、双方は新たなビジネス生態システムの戦略計画を共同でうち出すと伝えられる。蘇寧は2009年にラオックスに出資し、筆頭株主となった。
▽融合のペースとレベルは外部の想像以上
アリババグループ中国小売事業部の張建峰総裁は、「アリババグループと蘇寧雲商集団とは戦略的協力を締結したばかり。わずか1週間で、天猫国際が蘇寧の投資する日本の免税店グループ・ラオックスの出店を迎え入れると同時に、(蘇寧のオンラインショッピングプラットフォームの)蘇寧易購も効率よく天猫に出店した。アリババと蘇寧の国内市場およびグローバル輸入戦略における融合のペースとレベルは外部の想像をはるかに上回るものだ」と話す。
ラオックスは今月3日に2015年上半期の財務データを発表した。それによると、売上高は前年同期に比べ倍以上増加して451億円に、純利益は同79倍増加の46億円に達した。このたびの天猫国際との戦略的協力締結により、ラオックスは国境を越えた輸入通信販売の革新的モデルをよりどころとして、中国の消費者が国内にいながら日本製の電子ジャー、便座、美顔器などの人気商品を手に入れられるようにし、特別なサービスと優待価格もうち出すという。
▽天猫国際が先頭に立ち、アリババグローバル化の日本戦略が引き続き深化
日本の観光庁が発表したデータによると、14年に日本を訪れた外国人観光客の旅行・観光消費額は2兆2780億円に上り、うち約3割は中国人観光客によるもので、免税店ではラオックスの知名度が最も高かった。15年の春節(旧正月)連休期間には、秋葉原、銀座、北海道、大阪、福岡、沖縄などのラオックス店舗で中国人観光客が電子ジャーや便座を争うようにして買う光景がみられた。