妊婦5人中4人が、「マミーブレイン」の症状を訴える。これは妊娠中に記憶力と認知力が低下し、忘れっぽくなり、反応が鈍くなる現象のことだ。しかし関連する研究はこの観点を支持していない。これまでの研究では、妊娠中の女性が一部の仕事をする際に問題が生じることが明らかにされているが、その他の多くの研究では、認知の問題との関連性が認められなかった。中国科学報が伝えた。
米ブリガムヤング大学の研究者は、妊娠3ヶ月の21人の妊婦の認知・神経心理学検査を実施し、出産6ヶ月後に再実験した。研究者は他にも、妊娠していない21人の女性に対して、同じような実験を行った。研究者は、どのタイミング(妊娠中、出産後)で実験を行っても、その結果に差が生じないことを明らかにした。今回の発見は、2003年の研究結果とは異なった。前回の研究では、妊娠中の女性と妊娠していない女性の、言語の記憶、注意力散漫、注意力集中の点数に差があった。
ブリガムヤング大学の心理学者のMichael Larson氏は、「研究結果に差があるが、全体的に見るとほとんどの研究が、妊娠が記憶およびその他の認知能力にほぼ影響を及ぼさないことを示している」と指摘した。同氏は迷信の謎がいまだ解かれていない理由として、女性が伝統的な観点を裏付ける証拠を求めたがる傾向があることを挙げた。例えばある妊婦は車の鍵をなくした場合、マミーブレインのせいだと考え、その他の要素と関連付けようとしない。そのため妊娠中の脳機能の低下は、「心の病」と言うべきだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年9月8日