日本政府は現在、中央政府機関の地方移転計画を進めており、地方経済の発展促進につなげたい考えだ。だが奈良県の荒井正吾知事は今月9日の記者会見でこの計画の効果を疑問視し、「地域と関連性がないものを持ってきても、地域振興にはあまり効果がないのでは。中央機関移転より、地方との連携強化の方がありがたい」と述べた。
日本の地方自治体は今年3月3日以降、中央政府機関移転の受け入れ提案を相次いで提出した。提出期限は8月31日で、首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)を除く43道府県すべてに申請の資格があった。共同通信社が8月に行った調査によると、鹿児島県を除く42道府県が関連機関移転の受け入れ提案を提出した。たとえば森林技術総合研修所や産業技術総合研究所などの機関は、山梨や奈良など複数の地方自治体が受け入れを望んでいる。最終的な配置は来年3月に決まる予定で、それまでは一部の地方自治体による熾烈な競争が予想される。
出生率の低下と高齢化がかつてないスピードと規模で進行しており、特に地方の人口減少は急激で、経済は活力を失っている。ここ1年ほどの間に、日本政府はさまざまな措置を取って地方経済の発展促進をはかった。昨年9月3日には、人口減少に対応し、地方の活力を活性化させることを目指した「まち・ひと・しごと創生本部」を設立し、地方の若年層の雇用促進や良好な子育て環境の創出など複数の事業プロセスを加速させた。11月21日には、参議院本会議が「まち・ひと・しごと創生法」と「地域再生法」の一部を改正する法律案を可決・成立させ、人口減少と地方経済活性化の基本理念をうち出した。12月27日には、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、地方経済の発展にプラスになる中央政府機関の地方への移転をうち出した。また地方自治体も中国経済の発展にあやかろうとあの手この手をうち出し、中国人観光客をより多く呼び込み、現地経済の発展を牽引することを願っている。
このたびの中央政府機関の地方移転プロジェクトは日本政府が進める地方再生計画の重要な内容の一部で、雇用創出を通じて経済回復の活力を支え、地方により多くの人を呼び込むことが狙いだ。慶応義塾大学法学部の片山善博教授はこのほど取材に答える中で、「日本政府は中央政府機関の一部を地方に移転させようとしているが、地方自治体もより主体的な能動性を発揮しなければならない」と述べた。
日本政府は9月以降、専門家を招いて会議を開き、中央政府機関の地方移転の効果について地方自治体と中央省庁から意見を聞き、来年3月までに最終決定を行う。アナリストは、「中央政府機関の移転は国会での答弁などにも関わってくるため、これを本当に実現させようとするなら、幾多の困難が横たわると言わざるを得ない」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月15日