この点についてはまさに他山の石として見習うべき出来事がある。報道によると、1989年の民主化運動以降、韓国ではようやく国民の自由な海外旅行が許されたが、渡航した一部韓国人のマナー違反が指摘された。韓国政府はこれを大きく重視し、出国する韓国人観光客に対して相手国の文化、習慣を学ぶ講座を数時間受けることを義務付け、これを10年間続けた。
個別にモラルがない観光客に対して、ブラックリストに登録する方法以外に、運転免許証のように「パスポートの減点制」を導入するのも良い方法かもしれない。海外でのマナー違反が記録された場合、その行動に基づいて一定の点数を控除し、点数がなくなればブラックリストに登録、モラルやマナーに関する試験に合格しない限り一定期間の渡航を制限するというものだ。
しかし、ここで述べてきたいより重要なことは、様々な措置を通じて中国人観光客のモラル向上を図る一方で、我々は過剰に自分たちを卑下する必要はないということだ。かつてあるメディアが、イギリスのバスや地下鉄で席を譲るのはいつも中国人だという報道があった。その他にも、エジプトで中国人観光客がラマダーン(イスラム教徒が斎戒する月)に現地の貧しい人々を助け感動を与えた、北京朝陽病院の唐医師がアメリカで旅行中、突然心不全を発症させた観光客を救い、ネットで称賛を浴びたなど、称賛に値する事例も多い。
そのため、メディアは中国人観光客のマナー違反に注目するとともに、海外で光る「ファインプレー」も発掘して激励すれば、中国人観光客は自分たちのイメージをより大切にしようと励むに違いない。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年9月17日