▽6~10%が合理的なリターン
アジアの発展途上国のインフラ建設への投資は、意義は重大だが、規模が大きく、リターン周期が相対的に長いといったことから、世界の経済学者の中にはその持続可能な収益モデルに疑問の声を投げかける人が常にいる。特にプロジェクト建設の過程で、リスクの大きさから大量の不良債権が発生するのではないかとの懸念の声が上がる。金氏は外部に向けてAIIBへの信頼感をたびたび表明しており、「AIIBは全体として黒字であるべきだ。一部のプロジェクトが赤字だったとしても、それほど大きな問題ではない」と述べた。
白副主任は、「AIIBは政策的誘導が優先する多国間金融機関で、決して利益の最大化を目標とするものではない。よって平均的なリターン水準に基づけば、6~10%のリターン率が合理的だ。あまり低すぎるわけにはいかず、もしも5%を下回れば、一定のリスクが生じることになる。とはいえ、AIIBの収益は安定的で予測可能なものでなければならないといえる。現在は投資が電力や道路建設、健康、教育、環境保護などの分野に偏る傾向があり、自然に独占的な状態になる可能性があり、国有プロジェクトにより適しているといえる。『AIIBは国が担保するプロジェクトを好む』と言われているわけはこうだ、。アジア諸国にはそれぞれの経済制度があり状況は複雑で、一連の市場経済が未成熟な国では、大規模なインフラ建設の分野に国の参与がなければ、おそらくプロジェクトを順調に完了させることはできない。国が担保するプロジェクトと資金は安全性がより強固な保障され、これはAIIBがルールや制度の制定において国際的に成熟した金融機関と相対的に異なるものになる可能性がある原因でもある」と話す。