このような現象について、その罪を外国人バイヤーに負わせようとする人もいた。特に、「中国人投資家が大挙して現地不動産を購入したせいで住宅価格が吊り上った」という批判の声は、日増しに大きくなった。
当然のことながら、世界で豪快に買いまくる「中国人不動産オーナー」は、少なからぬ「授業料」を支払う羽目になった。欧米諸国の不動産関連法律に疎い上、複雑な税金・諸経費・雑費などが加わり、深みにはまってしまう買い手も少なくなかった。
「もし、南極の土地が売りに出されたとしたら、いち早く買いに行くのは中国人に違いない」と冗談めかして言った人がいる。専門家は、次の通り分析した。
中国人は、伝統的な農耕文化の影響を非常に深く受けており、土地や家屋に対して根深いコンプレックスを持っている。中国の個人投資家にとって、不動産はこれまでずっと、資産管理の主要ルートだった。中国の中小投資家の多くは、海外不動産を世界資産配置の主要構成要素として捉えている。今の中国人は、祖国に対する想いを抱きつつ、「不動産」の視点から世界を見ているといえよう。
2008年から2012年に起こった世界金融危機の影響を受け、欧米先進諸国の不動産投資環境は、かなりゆったりしたものとなったうえ、米国など多くの国では、住宅価格が大幅に下落したことから、「中国人不動産オーナー」は、投資先として海外不動産市場に眼を向けた。
「中国人不動産オーナー」にとって、海外不動産の購入は、移住や留学のニーズのみならず、大いに熱中すべき対象となっている。そんな彼らの背中を押す推進力は、「投資リターンの獲得」以外の何物でもない。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年10月16日