日本での中国ブランドに関する連載を書くにあたって、筆者は、日本企業の関係者数人に話を聞いた。彼らが異口同音に話題にした中国ブランドは、意外なことにこの「華為」であった。
「中国で通信関連機器を売る場合、昔なら、少し高級な製品ではほとんど競争相手がいなかった。だが現在は、こっちの方がほとんど華為に太刀打ちできなくなってしまった」。ある有名な通信設備メーカーの上層の幹部は東京で筆者にそう語った。
「日本の通信設備メーカーは国際市場のあらゆる場所で華為との競争を迫られている」。貿易研究分野のある専門家もそう語った。筆者にとっては意外だったが、通信ソリューションというものは携帯電話やタブレットとは異なるものなのだろう。どこかで大規模なプロジェクトを受注しても、一般の消費者にはよくわからないし、関連情報を目にしてもなかなか記憶には残らない。だが特定の分野の研究に従事する業界内部の人にとっての印象はまるで違う。
華為の日本進出は、日本の同業者や政府関係者に恐れを抱かせているのではないか。筆者がそんな疑問を胸に、日本の経済産業省のある役人に話を聞くと、「華為のような企業が日本にやってくるのは大いに歓迎する」との答えが返って来た。どうやら外交辞令でもなさそうだ。この役人によると、日本には成熟した市場があり、通信技術の分野でもやはり先端を行く大量の企業がある。外国勢の進出は、日本の国内市場における技術開発の競争を強化している。華為のような企業が日本で研究所を設立し、消費者や設備投資の市場の特徴を日本で研究していることで、日本企業も研究開発の手を緩めることができなくなる。これによって良性の競争がもたらされているというのだ。
中国人観光客が日本にやって来て薬用化粧品を買ったり、不動産を買ったり、中国企業が温泉に投資したりすれば、日本での消費が促進されるし、日本が喜ぶのは当たり前だが、華為のように日本に進出し、アップルやソニーの携帯電話やパソコンと競争し、日本に研究所を設立し、日本の人的資本を活用し、日本の最先端の通信技術を学び、より高度な研究開発に従事し、同業者との競争を展開するのは、一層日本の同業者の評価や尊敬を勝ち取っている。
30年後、成田空港はどうなっているだろうか。華為の広告は一つだけではなくなっているはずだ。日本での業績もさらにすぐれたものとなっているだろう。その頃には日本の一般の消費者も華為により親しみを持っていることになるかもしれない。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年12月1日
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