鐘氏は、今日までの消費行動は、家や車の購入、海外旅行、ブランド品や贅沢品の購入など、その消費対象の多くは大多数の人が理想とする生活形態であったと指摘する。そうした理想的な生活形態の商品やサービス体験を「理想的生活リスト」とし、実現すればチェックを入れる。そのためこうした消費行動は「チェック消費」とも呼ばれる。「チェック消費」の対象範囲は広いが、基本的には衆知の範囲の中で理想を喚起し、達成の喜びを得るというものであった。
博報堂生活総研(上海)の調査によると、「消費を通じて、これまでと同じ生活や視野という枠を広げられる」ことに賛同する中国の消費者は、調査対象の中米日3カ国の中で最も高く、「消費を通じて、これまでと同じ生活や視野という枠を広げられる」という感覚が以前より強くなったと答えた中国の回答者は55%に達し、米国(40%)や日本(16%)と比べると非常に高い。これは「出格消費」の背景的要因が中国で広く受け入れられていることの証明でもある。
鐘氏は、「出格消費」はマーケティングにも一定の影響を与えるとしている。押さえておきたいポイントは、まず人々の消費における着眼点が「所有」から「発見」「体験」にシフトしたこと。次に、消費対象を選ぶ基準が「適合性」から「触発性」にシフトしたこと。最後に、人々が消費においてもつ心理的期待は「達成感」から「成長感」へとシフトしたことだと指摘した。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年12月9日