1つ目の内容はすでに実現している。安倍首相は朴大統領との電話会談で、慰安婦問題について「心からのおわびと反省」を表明した。2つ目の内容も、日本側に実質的な困難はないと思われる。韓国側は機会を見て4つ目の内容を完成させるだろう。3つ目の内容については、日本の今後の慰安婦問題をめぐる発言が韓国国民の怒りを引き起こさないかどうかにかかっている。
日韓政府の態度から見ると、双方は「包括的解決」の中身に基本的に満足しているが、その意義については異なる見方を持っているようだ。日本は、日韓が合意に達したことの意義を非常に高く見ているが、韓国は日本の合意内容の実施をより強調している。
ただ、しばらくの間は、安倍政権は慰安婦などの歴史問題について言動を慎むと思われる。今回の合意は日韓関係改善のムードを高め、日韓および中日韓3国の各分野における対話と協力強化に向けた条件を整える。米国からの評価も得られるだろう。しかし、依然として懸念されるべき問題が2つ存在する。
▽慰安婦問題は歴史問題としてとうに結論が出ていたが、日本は韓国との話し合いをなかなか進めようとしなかった。合意に達した後、今度は日本政府の責任を薄れさせようとしており、歴史問題にはっきりと決着を付ける気がないことが伺える。
▽慰安婦問題は日本の侵略・植民問題の一部分であり、すべてではない。日本の右翼は国内政治において影響力を持つようになっており、安倍氏および日本政府の歴史問題に関する誤った態度が根本的に改善されたわけではない。侵略の歴史を否定し美化する幽霊が、いつ何時現れるかわからず、日本政府が前言を翻す可能性も依然として存在する。
現在、中日・日韓関係はいずれも改善に向けて進んでおり、中日韓3か国協力も全面的に回復した。再び事実で証明されたように、日本が歴史問題で積極的な態度と歩みを見せさえすれば、国際関係にプラスの影響が生じる。北東アジア地域の平和と安定のため、日本が歴史問題において一歩進んでは二歩後退を繰り返さないことを望む。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年12月30日