全日本空輸株式会社を傘下におさめるANAホールディングス株式会社は12日、国営ベトナム航空に130億円を出資し、同航空の株式の約8.8%を取得することを明らかにした。旺盛な需要をみせる南アジア市場の開拓で協力を進めるという。
日本の共同通信社の同日の報道によると、ANAはベトナム政府から株式を買い取り、取引は今年3~6月に完了する見込み。両航空会社は早ければ10月下旬にも共同運行を開始する。またマイレージでの協力についても調整中だという。
ANAによると、成長するアジア市場は同社の事業の重点だ。ベトナム航空は理想的な協力パートナーで、協力により国際線でのANAの運営能力が高まるという。なおANAグループの株価は同日、2.64%値下がりした。
ANAが海外の航空会社に出資するのは韓国のアシアナ航空に次いで今回が2例目。ANAは、環太平洋経済連携協定(TPP)をはじめとする経済関係の深まりにともない、アジアの航空需要が大幅に増加し、ベトナム・日本間の人的往来もますます活発になるとみられることから、今回の出資を決めたと説明する。
ベトナム政府は国有企業改革の一環として、ベトナム航空への出資と業務提携パートナーをかねてより求めていた。同航空は2014年11月に株式市場に上場したが、資本市場ではまだ単体での海外の戦略的投資家を呼び込めていなかった。
分析によると、ベトナム政府とアジアでの発展に力を入れるANAとは思惑が一致したのだという。ただ共同運行やマイレージでの協力には、両社がそれぞれ加盟する航空アライアンスのメンバーの同意を得る必要がある。