▽失意の銀聯 たびたびモバイル決済へ布石
アップルと銀聯の提携では、アップルがカード発行銀行に利益の10%を取り分として要求しているといううわさがある。中国では店舗でのPOS(販売時点情報管理)端末での支払いにカードを利用した場合の手数料は、カード発行会社が7、カード運営会社が2、銀聯が1として分配することになっている。このうわさが本当なら、発行会社(銀行)が6.3、運営会社が2、銀聯が1、アップルが0.7という割合に代わる。銀行にとってはコストが高すぎて受け入れは不可能だ。その後、アップルは銀聯と交渉を進め、業界関係者はアップルが銀聯の1%の手数料収入の中から一定の割合を受け取ることになるとみる。アップルが初めの数年間、手数料を減免するといううわさもある。
銀聯が譲歩するのは、オフライン決済におけるトップバッターの地位が最近、明らかに揺らいでいることと大きな関係がある。
調査会社・易観智庫がまとめた統計によれば、2015年第3四半期(7-9月)のモバイル決済市場では、支付宝が71.51%でシェア1位だった。2位は騰訊(テンセント)の15.99%で前年同期比2.91ポイント上昇し、3位は拉卡拉の6.01%。銀聯商務有限公司が行うモバイル決済のシェアはわずか0.49%で8位だった。
実際、銀聯は最近になってモバイル分野での取り組みをしきりに進めている。昨年12月には商業銀行20数行と共同でスマート端末を基盤としたモバイル決済サービス「クイックパス」をうち出し、今回はアップル、サムスンとの協力を発表し、アップルペイ、サムスンペイをうち出す。サムスンペイの中国語名称は「三星智付」に確定し、今月24日から国内でのモニタリングを開始する。現時点では利用はスマートフォンのギャラクシーノート5およびギャラクシーS6エッジプラスを使用する中国銀行のカード保有者に限られる。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年2月22日