中国政府は現在、行政のスリム化や権限の委譲によって市場主体への緩和策を取りながら、「インターネット・プラス」戦略などによって良好なマクロ環境の構築に努めている。起業インキュベーション活動もこれに伴って開放時代に入り、市場化の特徴を備えながら早期起業活動を刺激する「新モデルのインキュベーター」と呼ばれる「衆創空間」(ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム)が各地で生まれている。北京中関村の起業ストリートでは、新設会社やインキュベーター企業がさかんに活動している。天津・于家堡金融区では、「双創大厦」が、若者たちが夢を託す場所となっている。中国にはこのような場所が数多くあり、情熱と活力に満ちた若い起業家を引き付けている。彼らは、政策から資金にいたる政府の支援を受け、起業のためのワンストップサービスを提供する施設を通じて、ゼロからのスピーディーなスタートを実現している。サイエンス系の企業新設の登録手続も往々にして数日で完了してしまう。
大彊創新科技有限公司の生産した無人機(大彊創新科技有限公司提供)
国際的な研究機構「グローバル・アントレプレナーシップ・モニター」(GEM、Global Entrepreneurship Monitor)の調査結果によると、中国の成人のうち13%から24%が、起業を準備しているか、起業から42カ月以内の早期企業家だった。称賛に値する成功事例は数多く、世界的なレジェンドと言えるケースも少なくない。例えば世界最大の消費者向け無人機メーカー「大彊創新科技有限公司」は、香港科技大学で学んでいた中国大陸部の大学院生3人によって6年前に設立された。広東省深セン市の小さなアパートを借りて設立された当初は、従業員はわずか5、6人にすぎなかった。同社の従業員は昨年8月までに4000人以上にふくらんだ。
李克強総理は、「大衆による起業・革新の推進は、雇用を拡大し、住民の収入を増加させるだけでなく、社会の縦方向の流動と公平・正義の促進にも有利に働く」と指摘している。多くのアナリストも、革新・起業は、個人の夢の実現にチャンスと空間を提供すると同時に、新たな経済成長分野を絶えず産出し、中国経済のモデルチェンジ・アップグレードに重要な動力を与えるものとなっているとの見方を示している。
「人民網日本語版」2016年2月28日