▽様々な影響
中日韓の電子商取引ネットワークの構築が、プラスの影響をもたらすことは間違いない。李天国氏は、「中日韓の電子商取引ネットワークは3カ国の市場を繋ぎ合わせ、企業の海外サプライチェーン構築を助け、グローバル市場との融合を促進する。また、同ネットワークの発展は、クロスボーダー電子取引の秩序規範化、資源統合、相乗効果の発揮にも役立つ」とした。
莫岱青氏は「中日韓電子商取引ネットワークの形成は、3カ国間の貿易を促進し、クロスボーダー電子商取引の発展を促進する。一部の商品はネットを通じて販売できるようになり、一方で海外の商品も中国に入ってくる」と指摘する。
しかし、利点もあれば欠点もある。中日韓の電子商取引は一部の人にとっては大きな打撃となるだろう。
李天国氏は「企業の電子商取引を通じた経営活動が、伝統的な小売企業に影響を与えることは避けられない。しかし客観的に見れば、伝統的企業がインターネット時代のニーズに合わせ、経営概念とモデルを絶えず変化させるよう促すことになる」と語る。
小売企業だけでなく、「海淘(海外や大陸部外からのインターネットによる商品購入)」や海外代理購入などにも打撃となる。莫岱青氏は「中日韓電子商取引ネットワークが構築されれば、必然的に代理購入に影響が及ぶだろう。特に個人が行っている代理購入は価格や到着時間の面で強みを失う」と語る。
確かに、伊藤忠などの企業の強みは、ネットで購入後わずか数日で商品が届き、価格が個人の代理購入よりも30%前後安く、しかも100%正規品であると保証されている点だ。
しかし、現時点で「海淘」や海外代理購入にとっての最大の打撃は、クロスボーダー電子商取引輸入税の税制改革かもしれない。クロスボーダー電子商取引の専門家は、2016年4月8日より、新しい輸入税政策が実施されるとしている。これによると、クロスボーダー電子商取引の輸入税免除が取り消され、1回の取引額が2千元(1元は約17.4円)以内に制限され、輸入付加価値税+消費税が納税額の3割引きとなり、個人によるクロスボーダー電子商取引の購入限度額が2万元に制限される。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年3月4日