トレーニング・フィットネス関連アプリや運動データなどを記録できるブレスレットの普及にともない、都市に住む人々の間では、「ウォーキング」が流行、歩数を競うようになり、「毎日一万歩以上歩いている」という自慢話の応酬を耳にするようになった。だが、スポーツの専門家は、「歩くという誰もがしている行為も、科学的見地から考える必要がある。毎日判を押したように『1万歩歩く』というノルマをこなしても、実はまったく健康には役立っていない。となると、この健康法は全く割に合わないということになる」と指摘した。銭江晩報が伝えた。
●「一日一万歩」歩いても健康は保証されない
浙江省体育科学研究所(体科所)全国民健康増進運動研究センターの安平センター長は、「一日一万歩」について、次のような見方を示した。
「『一日一万歩歩けば生涯健康』なるスローガンは、ここ数年のPR効果によって、今では人々の間に広く浸透している。冒頭の『一日一万歩』という考え方は、東京オリンピックが開催された1964年に、日本の某歩数計メーカーが打ち出したもので、中国では、衛生部門がこのスローガンを発表した。だが、この『一万歩』と、我々が頻繁に口にする「心肺機能・持久力・筋力などの体力向上を目的とした肉体トレーニング」とは、全く別物だ。もちろん、一日中座っているより、身体を動かすことは健康に良い。だが、毎日一万歩歩きさえすれば、健康であり続けることができると思い込むことのないよう、くれぐれも注意しなければならない。歩数だけを重視しても意味がない。というのも、健康を増進する有酸素運動は、一定の強度を保ちつつ行う必要があるからだ。また、日ごろの暴飲暴食を補うために一万歩歩いても、それは所詮無駄な行為だ」。
●一万歩のうち何歩「正しく歩いたか」が重要
安平センター長は以下のようにアドバイスする。