データソースは関税と国連データバンク
UNESCOは2009年に「文化統計のための枠組み」を発表、文化的製品を「思想・記号・生活様式の伝達手段を可能とする製品」と定義付けた。文化的製品は「体験製品であり、すなわち消費者は消費したのちに製品の価値を決められる」。それは可視化されたものであり、物質的特長に基づき分類可能である。一方、文化的サービスは可視化できず、「文化的興味と需要を満たし、それ自体は文化的物質製品を代表しないものの、文化的物質製品の生産と伝達の一助となるもの」とされている。
この分類基準によって、映画やゲーム以外にも、金銀宝石、メリヤス製品、刺繍、建築設計図、収蔵価値のある動植物、鉱物といった、人々が普段よく知る身の回りのものを遥かに超える製品も文化的製品に組み入れられているのである。
前出のリディア氏は、「UNESCOの文化的製品統計と世界知的所有権機関(WIPO)、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)の統計方法には多くの共通点があるが、違いもある。WIPOの文化的製品とサービスに対する定義は純粋経済学的要素を多く取り入れており、UNCTADとUNESCOには共通点が多く見られる。UNESCOは1972年の世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約を基に、自然遺産の統計を組み入れている」と語る。
紹介によると、報告書の文化的製品のデータソースは関税、国連商品統計データバンクおよび国連経済社会部で、文化的サービスのデータソースは国連貿易開発会議、世界貿易機関およびジュネーブに位置する国際貿易センターである。