文化発展、無形化傾向呈する
UNESCOが文化的製品関連の報告書を発表したのはこれが初めてではなく、30年ほど前からこの取り組みは始まっている。前回の報告書は1994年から2003年までの10年というスパンをカバーしている。報告書は文化的製品を重視する国際社会の姿勢が体現されており、2030年までに開発途上国の文化的製品の輸出量倍増を目指すべく、開発途上国の文化的製品の増加を示す新たな指標も設けられている。UNESCOの「文化表現の多様性の保護及び促進する条約」第16条でも、「先進国は、適当な制度上の及び法的な枠組みを通じて、優先的待遇を芸術家その他の文化の専門家及び文化を実践する者並びに開発途上国からの文化的な物品及びサービスに与えることにより、開発途上国との文化交流を促進する」と掲げている。
10年のスパンで確実に描かれる変化
ドルの価格変動の影響を受け、2004年から2013年までの間に、中国の対米文化的製品輸出総額は200%増加したが、中国の文化的製品が全体に占める輸出総額は2004年の32%から2013年の18%に減少している。米国が輸出する文化的製品の主な内容はゲーム(29%)で、次にジュエリー(24%)、彫刻・装飾品(13%)となっている。2013年、中国は最大の対米文化的製品輸出国となっている。
また、中国は多くの国から文化的製品を輸入し始めている。2004年、中国の89%の文化的製品輸入品は10カ国から来ており、2013年、この10カ国が占める割合は68%に過ぎなかった。2004年、中国文化的製品の50%がアジア諸国から輸入されていたが、2013年にこの数は41%まで下がった。
中国の経済と貿易分野の発展が文化分野にも反映され、中国の文化的製品輸出量は米国に替わって世界一となった。「どの国にもその特徴があり、中国の強みは工芸品だ」と前出のリディア氏は指摘する。また、「この報告書が主に分析しているのは物質的製品。文化の発展は無形化の傾向にあり、音楽もCDを買うのではなくダウンロードされるようになった。文化の影響の大小を測る指標は文化への参加レベルである」と述べた。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年5月12日