だが、経済の流れにおける固有の問題点はまだ解決されていない。
(1)一部の地域では財政の収支均衡の圧力が高い。
(2)民間企業の投資が大幅に低下している。
(3)不動産バブルや過剰生産能力、不良債券、地方債務、株式市場、為替市場、債券市場、違法資金調達などリスクを抱えた分野が増えている。
(4)市場化の程度が低く、産業がローテクで、構造の単一的な一部の地域では、経済の下方圧力が増大し、雇用問題が際立ち、社会問題が激化している。
2.総合的に判断して、中国経済は今後、「U字型」ではなく、まして「V字型」でもなく、「L字型」の発展をたどると見られる。この「L字型」は一つの段階をなすもので、1年や2年で終わるものではない。
今後数年、総需要の低迷と生産能力の過剰との併存という局面を根本的に転換するのは難しい。一度回復すれば上昇傾向が続き、何年にもわたる高成長を実現したようなこれまでのような経済成長を期待することはできない。
3.「一歩の退却」は「二歩の前進」のためである。中国経済は潜在力が十分で、柔軟性も高く、融通の余地も大きい。刺激をしなくても、速度がそこまで落ちることはない。
4.経済指標の一部が再上昇しても手放しで喜ぶことはできない。経済指標の一部が低下しても慌てふためくことはない。
5.供給側の構造改革の推進は、現在と今後しばらくの中国の経済政策の主軸である。長期的に見れば、我々が「中所得国の罠」を乗り越えるための「生命線」であり、負けることの許されない戦争でもある。