中国石油化工集団(中国石化)が発表した最新の情報によると、同社傘下の上海石油化工研究院の楊為民教授が率いるチームは、新しい構造を持つモレキュラーシーブ材料「SCM-14」の開発に成功し、国際モレキュラーシーブ協会(IZA)から「SOR」構造コードを取得した。中国企業がモレキュラーシーブを作り国際構造コードを取得するのはこれが初。中国企業はこれにより、国際新構造モレキュラーシーブの「トップクラブ」への仲間入りを果たした。科技日報が伝えた。
モレキュラーシーブとは分子のふるい分けが可能な無機質水晶体材料だ。重要な触媒として、イオン交換、吸着・分離、活性化など石油化学工業の工程に広く用いられている。その性能は微細な細孔構造と密接に関連している。新構造モレキュラーシーブの革新と工業への応用は、往々にして石油化学技術の飛躍的な発展をもたらすため、石油化学技術の要衝と見なされてきた。IZAが認めている235種の構造コードのうち、エクソン・モービルが21種を、シェブロンが18種を取得しており、3位以下に大差をつけている。中国企業はこれまでオリジナルの新構造モレキュラーシーブ材料を開発しておらず、構造コードを取得したことがなかった。
楊氏のチームは5年間にわたる2000回以上の実験により、中国石化から命名されたSCMシリーズのモレキュラーシーブを21種開発した。そのうちSCM-14は新構造のモレキュラーシーブで、独特な12×8×8員環三次元孔を持ち、熱安定性が優れており、活性化と吸着などの将来性を持つ。同チームはストックホルム大学・北京大学「青年千人」プログラムの孫俊良研究員と緊密に連携し、電子回折データを解析することで水晶体構造模型を手にし、最終的に正確な構造を手にした。
SCMシリーズ新型触媒は2014年以降、十数カ国・地域で特許を取得している。関連する基礎研究の成果は、「Chemical Society Reviews」「Chemistry A European Journal」「CrystEngComm」などの国際的に有名な学術誌に掲載されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年6月15日
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