実際、日本での民泊の急速発展は背後にある管理代行会社と切り離せない。民泊を経営するなら、相当の時間を費やしてネットで世界中の顧客とやりとりする必要があり、人気サイトでの宣伝活動も必要で、オーナーは時間的にも、体力的にも、また外国語のレベルという点でも大きな試練に立ち向かわなければならない。そこで機に乗じて管理代行会社が誕生した。
在日中国人の王海琳さんは以前、泊施設管理代行会社を経営し、東京エリアで約500件の施設を管理していた。王さんは、「日本政府の規定に従って民泊施設の届出を申請するのはそれほど大変なことではない。ネットに手続きの流れも詳しく説明されているし、大量の文書や資料を準備するだけでのことで、オーナーに時間がないなら管理代行会社に委託すればよい」と振り返る。
王さんは続けて、「届出の最大の難関は、民泊施設が条件に合致しているかどうかだ。前はとりあえず空き部屋があれば貸し出すことができたが、今はその施設が商業地にあるのか、住宅地にあるのか、周辺に学校があるかどうか、施設の入った建物の管理組合が許可するかどうかなど、一連の具体的な条件をクリアしなければならなくなった。管理組合が許可しなければ、申請しても届出番号をもらうことはできない。その上、毎年の営業日数が180日(泊)までとされたこともオーナーの積極性をくじくことになった。地域によっては『新法』に加えて個別の条例を定めるところもあり、たとえば住宅地にある民泊施設の営業日を土曜日午後から日曜日までと限るところもあり、これでは資金と体力・気力を注いで民泊ビジネスに取り組む意味がほとんどなくなる。こうした新規定は日本の民泊ビジネスにとって致命的な打撃だといえる」と話す。王さん自身はさまざまな点を考慮して、民泊ビジネスから手を引くことにしたという。
王さんのケースはまれなものではなく、日本人のオーナーで同じ選択をした人も多い。大阪で民泊ビジネスを手がけていた山田さんは、「空き部屋を長期賃貸に出した場合のリターン率は毎年大体4~5%だが、短期賃貸なら10~12%になる。新たに『民泊新法』が打ち出されて、毎年半年間は施設を空き部屋にしておかなければならなくなったので、いろいろ検討して、民泊はやめて長期賃貸に出すことにした」と話す。
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