受賞候補ナンバー1は「万引き家族」
外国語映画賞には、計87作品がエントリーし、そのリストが公開されている。慣例では、その中から、9作品が選出され、さらに5作品がノミネート作品として選出される。
エントリー作品を見ると、「Roma」、「Cold War」、「万引き家族」、「Capernaum」など、今年のカンヌ国際映画祭やベネチア国際映画祭などで大きな話題を集めた作品も名を連ねている。
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でパルムドールを受賞した「万引き家族」は、是枝裕和監督がメガホンを取り、中川雅也、安藤サクラ、松岡茉優、城桧吏、佐々木みゆ、樹木希林らが主演。アカデミー賞でも「外国語映画賞」の最有力候補となっている。
是枝監督は、「家庭」をテーマにした作品を得意としているものの、近年はどれも似たり寄ったりで、「アットホーム」しか特徴がなく、思考の型がワンパターンだった。そして、ストーリーも温かみばかりが売りで、「癒しのほかには何も得られるものがない」という声も上がっていた。しかし、「万引き家族」で是枝監督は冷静に感情を抑え、涙を誘う「善」もあれば、冷静に客観視する姿勢も見せ、お決まりのパターンにははまっていない。
特に、人の心を見つめ、人間性あるストーリーは、アカデミー賞でも常に好評を博してきた「アジアの家庭」をテーマとしている。例えば、李安監督の「喜宴」や「恋人たちの食卓」も同様のテーマで、いずれも外国語映画賞にノミネートされた。その他、「万引き家族」は、命の尊厳にも迫っており、それもアカデミー賞では人気のテーマだ。2008年に「おくりびと」が外国語映画賞を受賞したことを見てもそれが分かる。しかし、評価基準が異なるため、近年はカンヌ国際映画祭とアカデミー賞で大賞を同時受賞するという作品は非常にまれで、「万引き家族」がそのジンクスを破れるかに注目が集まっている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2018年10月12日
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