第1に、安倍氏とその追随者の誤った歴史観と日本政治右傾化の過程との共鳴。安倍氏は政権復帰後、戦犯の亡魂を大胆に祭って軍事力強化、強国化の夢を推し進めるやり方によって、日本社会の各右翼集団の共鳴を呼んだ。まさに「上の者が何かをすれば、下の者はさらにひどくそれを推し進める」で、このところ日本は靖国神社参拝、慰安婦強制連行、教科書改訂など歴史問題で逆行し、日本軍国主義の対外侵略と植民地支配の歴史を美化して、日本軍国主義に対する国際社会の正義の審判を覆そうと企てているが、これが安倍政権に必要な政治土壌と政権環境を与えている。
第2に、安倍氏は「愛国主義」の旗の下、極端な民族主義の排外傾向を利用して政権を安定させている。様々な民族主義の中で、「領土民族主義」が最も強大な影響力と感化力を持つことは隠し立てするに及ばない。歴史的に比較的孤立し、資源に乏しい日本のような島国にとってはなおさらだ。日本の隣国との領土争いの悪影響は中日関係、韓日関係、露日関係といった二国間関係を害するだけでなく、中国敵視、韓朝排斥、ロシア嫌悪という日本国内の良からぬ民族感情の拡大と蔓延を助長し、愛国の名の下の「大和民族優越論」を形成しつつある。
第3に、安倍氏は「積極的平和主義」を利用して戦後日本が歩んできた平和的発展の道を変えようとしている。安倍氏の口にする「積極的平和主義」が、日本の軍事力強化戦略に対する平和憲法の制約を積極的、主導的に解除することに他ならず、このために安倍氏は中国の軍事的脅威を誇張することで自らの軍拡を覆い隠す必要があり、東アジアの緊張の助けを借りて自衛隊という楯を対外戦争を行える鋭利な刀に改造しようとしていることを、世界の人々ははっきりと理解している。まさにこうした変化のために、中国、韓国など歴史上日本の侵略による災いをさんざんこうむった国々は意思疎通を保ち、立場の一致を図って共同で正義と人類の良識を守り、第2次大戦の成果と戦後国際秩序を守り、地域の平和・安定の大局を守らざるを得ないのだ。