米国ゼネラルモーターズ(GM)の「ビュイック」が2車種を相次いで市場から撤退させたのとは異なり、日本のトヨタの「クラウン」はかつてC級車(高級セダン)市場を席巻していた。クラウンはトヨタブランドの旗艦車種であり、誕生から60年近い歴史があり、これまで13回のモデルチェンジが行われている。2005年には第12代クラウンが中国国産化を実現し、重厚で堂々としたイメージでたくさんのドライバーに愛されてきた。中国経済網が伝えた。
一汽トヨタの公式データによると、07年にクラウンの月間販売台数は4千台を超え、追いかけているドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの「アウディA6L」との差はわずかになった。10年の販売台数は4万5161台で前年比314.59%増加した。当時、「クラウンがC級市場でのアウディA6Lの一人勝ちの局面をひっくり返した」などと分析するメディアもあった。
だが好調は長く続かず、11年から販売台数は減少し始めた。自動車情報サイト・選車網のデータによると、11年のクラウン販売台数は3万321台、12年は2万5456台、13年は2万3315台だった。この3年間に国産C級車の市場規模は11年の27万台から13年は36万台に迫った。つまり、市場全体の規模が拡大を続ける中で、クラウンは大きく後退し、市場シェアが年々低下したということだ。その一方で、13年には「ドイツ三強」(アウディ、BMW、ベンツ)のC級車市場シェアが86.17%に到達。ある業界関係者によると、C級車市場におけるクラウンには「落日の感がある」という。
クラウン低迷の原因は、アウディA6LやBMWの5シリーズ、ベンツEクラスなどに押されたことだけでなく、クラウン自体がモデルチェンジに成功しなかったこと、価格設定が高すぎたことなどとも関係がある。今ではクラウンと聞いて以前のように「高級、大型、上級」のイメージを抱く人は少ない。そこでクラウンを参考にして、主流合弁ブランドがC級車市場に進出する場合は、次のような「入門の心得」を参照することをすすめる。
▽消費者が求めるC級車はどんなものか?
馬雲氏が率いる阿里巴巴が成功を収めたように、まず顧客が何を考えているか、何を望んでいるかを知らなければ、顧客に愛される商品は打ち出せない。かつてある自動車メディアがクラウンを「一部の高齢者にふさわしい車」と形容し、35歳以上の年齢の高い層がクラウンの主要消費層だとの見方を示した。