国家質量監督検験検疫総局(質検総局)が明らかにしたところによると、重慶検験検疫局はこのほど、インドネシアやシンガポールから帰国したツアー客28人のうち、8人がデング熱に感染していることを確認した。同局は既に、重慶市衛生・計画出産委員会に報告し、衛生、疫病抑制部門と感染拡大の予防などの対応に当たっている。人民網が報じた。
質検総局によると、重慶江北国際空港の検疫所のスタッフが、シンガポールから帰国した旅行客のうち2人が発熱しているのを発見。流行病学調査と医学検査の結果、2人はインドネシアのバリ島やシンガポールを旅行中に蚊に刺されていたことが分かり、体温がそれぞれ40度と38.3℃だったほか、寒気や胸の痛み、頭痛、筋肉や関節の痛みなどの症状が確認された。そのため、同スタッフはすぐに採血を重慶国際旅行衛生保健センターに送り検査を実施した。また、同じツアーに28人が参加しており、旅行中に発熱や寒気、全身の痛みなどの症状があった旅行客もいた。それらの旅行客は薬を飲んで症状を緩和させていた。検疫スタッフらが同ツアーの旅行客を追跡調査した結果、13日、8人(最初の2人を含む)がデング熱に感染していたことを確認した。
中国では5-10月が、デング熱が流行する季節となる。同期間は海外旅行に出かける人も多く、海外で感染した人のウイルスが中国で流行する危険も高くなる。デング熱が流行している地域で感染するリスクが高いため、出入国検験検疫部門は、入国者に対する検疫を強化し、疫病の侵入を防ぎたい考えだ。
デング熱
デング熱は、デングウイルスが原因の感染症。症状には、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などがあり、適切な治療を行わないと死亡することもある。デング熱は、ヤブカ属の中でも特にネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介され、感染度も高いため、局地的に猛威を振るうこともある。80年代以降、東南アジアで発生率が増加。近年、インドネシアやシンガポールでもその発生率が高まり続けている。2014年1-2月、インドネシアは、デング熱の患者が1万8万千人で、うち322人が死亡したと報告している。一方、シンガポールもデング熱の患者が2764人と報告しており、現在増加の一途をたどっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月20日