北京市環境保護局は10日、「2013年北京市環境状况公報」を発表した。同公報によると、同年、北京市の生態環境品質指数は「良」だったものの、汚染物排出総量は環境容量を大幅に超えていた。うち、大気の質は基本的に安定していたものの、ぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」の数値が突出していた。中国新聞網が報じた。
同公報によると、同年、頻繁な悪天候や汚染の深刻化も重なり、経済・社会の発展がもたらす汚染が悪化した。そのような背景下にかかわらず、北京は大気汚染の改善策や汚染物の排出削減などにより、大気の質を基本的に安定させることができた。観測結果によると、昨年、大気の主な汚染染物6項目のうち、国家基準以内だったのは二酸化硫黄と一酸化炭素だけだった。基準を超えた汚染物の中で最も深刻だったのはPM2.5で、年間平均濃度は1立方メートルあたり89.5マイクログラムと、国家基準の1.56倍だった。
12年と比べ、北京市の主な汚染物の排出総量は一律減少している。一方、一部の地域の大気に含まれるオゾンが基準を超え、特に5-9月に悪化した。
公報は、「13年、北京生態環境質量指数は66.6と、『良』に属し、中国全土でも高い水準。ただし、住民が期待している環境とは、まだ大きな差がある」と指摘している。
この点、同局汚染防治処の王春林・処長は、「現在、北京は人口が集中しており、エネルギーや資源の消費量が多く、集中している。インフラ整備、特に、汚水やごみ処理施設などの建設が遅れており、それが環境汚染の悪化につながっている」と指摘。「北京の環境品質の中で、大気汚染が最も突出している。また、人口が急増しているほか、都市開発の拡大が続き、水などの資源不足も主な制約要素となっている」と強調した。
同公報によると、北京の地表水の水質は全体的に安定している。うち、集中型地表水飲用水源地の水質は国家基準をクリアしている。しかし、水源不足や都市の下流の河川の水質汚染が深刻化している状況は全く改善されていない。観測が実施されている93の河川のうち、水質が最も悪い「Ⅴ類」に属する川の長さが全体の44.1%を占める979キロになっている。
北京の住民の飲料水となっている、密雲県のダムや懐柔県のダムの水質は飲用水源の水質基準をクリアしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月10日