中国における2013年の賃金状況を示す「中欧—博爾捷薪酬(賃金)指数」がこのほど発表された。報告によると、全国一線都市の賃金は、二線・三線都市をはるかに上回り、金融・不動産の2大業界の平均賃金は、社会全体の平均より大幅に高かった(金融業の平均賃金は全業界平均レベルの10倍)。また、トップ層と平社員との給与差は約100倍に達した。華商報が伝えた。
報告に示された数値は、北京・上海など国内の大・中都市17都市において、金融・不動産・ITなど10大業界を対象に、社長から平社員まで6段階の職位別賃金データを、調査と科学的分析にもとづき取りまとめたもの。同報告は、年に1度発表される。
今回の指数報告によると、2013年の賃金状況には、以下5つの大きな特徴が見られた。
1 全国一線都市の賃金は、ニ・三線都市をはるかに上回った。一線都市の年収を高い順にみると、上海(7万2300元、約118万5千円)、深セン(7万2千元、約118万円)、北京(6万6700元、約109万円)、広州(6万6100元、約108万円)。
2 東部地域の主要都市は、全国一線都市に次ぐ高賃金都市となった。特に、杭州(6万4200元、約105万円)、蘇州(6万1100元、約100万円)、南京(58700元、約96万円)の発展は著しく、一線都市に迫る勢いで、他の東部都市を大きく引き離した。
3 地理的優位性と交通の利便性によって、武漢(4万3902元、約72万円)は、中西部都市の賃金レベル首位に立った。
4 一部業界の賃金レベルは、社会全体の平均を大幅に上回った。金融・不動産の2大業界の平均賃金は、全体の平均レベルよりはるかに高かった。調査対象となった17都市のうち、金融業の平均年収は50万9095元(約835万円)と、現地政府が公表した2012年社会平均賃金額(4万8537元、約80万円)の10.5倍。各種専門職に就いている人の賃金格差はかなり大きい。各種専門職のマネージャークラス以上の賃金格差は特に際立っており、年間平均賃金が最も高い専門職は、技術・研究開発部門で、26万6800元(約434万円)に達した。
5 トップ層と平社員の賃金格差はかなり大きい。各業界のエグゼクティブクラスと役職のない社員の賃金には、天と地ほどの違いがあり、特に金融業では、その差は約100倍に達した。
中国政府が打ち出した「所得倍増計画」は、2020年までに実現可能か否か。賃金増加スピードが2013年のペースを維持するならば、向こう6年前後でこの目標は達成できる見通しだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年4月10日