脱原発後の日本 エネルギー供給で米依存か
東日本大震災により、日本の原子力エネルギー事業は大きな打撃を受けた。日本で現在稼働している原子炉は全体の5分の1のみで、国内では「反原発」運動が強まっている。日本はすでに「脱原発」の時代に突入したと断言できる。環球時報が伝えた。
43基の原子炉が稼働停止し、火力発電の需要が急増していることから、日本は石油や天然ガスなどの輸入量を大幅に増加させざるを得ない。「脱原発」の時代に入った日本は、より積極的にエネルギー源を求める外交活動を展開するだろう。
1973年のオイルショック後に日本が実施した「石油外交」と比べ、「脱原発」時代の日本エネルギー外交は、次の特徴を見せる可能性がある。(1)天然ガスを中心とし、火力発電用燃料の輸入先を拡大し、パイプラインによる天然ガス輸入を実現する。(2)北米・ロシアを主な輸入先とする。
中東地域は情勢不安定等の原因により、石油価格と安定供給が常に不安視されている。一方で、天然ガスは石油よりも、供給源の多元化と「脱中東化」がしやすい。ゆえに日本は今後数年間、天然ガスによる火力発電により、「脱原発」に伴うエネルギーの不足を補うと見られる。
天然ガス産出国のうち、世界最大の液化天然ガス生産国であるカタールは中東情勢の影響を受け、安定供給が実現できない。そのため日本のエネルギー外交の重心は、新たに「シェールガス革命」を起こしている米国、およびロシア極東地域のサハリン島に置かれる。しかし豊富な埋蔵量を誇るサハリン島からガスを輸入するためには、海底パイプラインを敷設する必要がある。日本はサハリン島から北海道を経て東京に直通する、約1400キロの海底パイプラインの建設を再検討することになるが、この期待が実現されるかについては未知数だ。日本はロシアからの天然ガス輸入に対して、欧州を上回る金額を設定しているため、ロシアにとって有利である。また天然ガスを液化天然ガスに加工すれば、パイプラインにより日本のみに輸出する必要はなく、その他の国にも輸出できる。そのためロシアは海底パイプラインの敷設に対して、積極的ではない。また近年、日露両国の島を巡る対立がエスカレートしており、今月実施される予定であった日露首脳会談も中止となった。これは日露両国が、大規模な提携を推進するための、良好な政治的雰囲気を形成していないことを示している。