人間の器官を製品化し、ラインでこれを生産し、一般家庭に進出させる。この構想はこれまで、単なる夢物語に過ぎなかった。このほどロシアや米国などの国がこの課題を巡り成果を獲得し、器官の不足により移植手術を受けられない患者に生きる希望をもたらした。人民日報海外版が伝えた。
ラジオ局「ロシアの声」のウェブサイトは2月16日、スヴェルドロフスク州の州都であるエカテリンブルクで、独特な実験室が設立されたと伝えた。科学者は同実験室で自身と海外の同業者の経験を結びつけ、レシピエント(臓器移植を受ける患者)の人体細胞を用いて「人体部品」の生産を実施し、3D印刷技術により軟骨と耳の製造に成功した。実験に加わった生物学者は、「計画に基づき、健康な腎臓の製造に成功した場合、その他の人体器官の製造問題も自ずと解決される。そうなれば特殊ロボットが、原材料となる人体細胞を昼夜を分かたず培養し、火傷した皮膚や生命の重要な器官など、すべての必要な人体器官を製造できるようになる」と語った。
米国の科学者も、自動車事故の被害者の重傷を負った肺を原材料として、人工肺の培養に成功した。2月14日付けの米日刊紙「ヒューストン・クロニクル」によると、実験の担当者は損傷を受けた肺のすべての組織を剥離し、コラーゲンとエラスチンだけを骨組みとして残した。科学者はその後、その他の肺から選んだ健康な細胞をこの骨組みに肉付けし、全構造を培養液の中に入れ、細胞の成長を促した。約4週間後、人工肺が本当に培養された。
ロシアや米国と異なり、フランス・パリのジョルジュ・ポンピドゥ・ヨーロピアン病院(HEGP)は生物活性物質と電子部品を結びつける方法により、人間の心臓の約3倍の重さ(約900グラム)を持つ人工心臓を製造し、かつ世界の医学史で初となる人工心臓の移植手術を実施した。患者はすでに目覚めており、各種指標が正常値を示しており、より詳細な検査を実施中だ。研究者は、「この人工心臓の表面には牛の組織を採用し、心臓内部には電子センサーが搭載されており、患者の活動状況に応じて血圧を調整できる。この人工心臓が患者の正常な社会生活を取り戻せた場合、同技術は近い将来に臓器移植を待つ患者を助けることになる。そうなった場合、研究者はこれを一つの業界に発展させ、人口器官の大量生産を実現できる。さらにこれらの製品を持ち、証券取引所に上場することも検討中だ」と述べた。
人口器官の研究は初歩的な段階に位置し、数十年もしくは数百年の発展を待つ必要がある。人類が人工器官の大量生産を実現できるかという問題は、今後より明らかにされていくだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月18日